この記事の監修者

親知らずを抜歯する際に、抜歯後の食事はどうしたらいいのか気になる方もいるでしょう。
抜歯したあとは治療痕が傷つきやすく、血餅がとれやすい状態であるため、適切な食事をしなければ回復が遅れる可能性があります。
抜歯後の腫れや痛み対策のためにも、食事の注意点を知っておきましょう。
この記事では、親知らず抜歯当日から数週間後までの食事で注意することや意識的に摂取したい栄養分などを紹介します。

親知らずの抜歯にかかる時間は20分~30分ほどで、よほどのことがない限りは日帰りで行われます。
親知らずを抜歯した当日でも食事は可能ですが、注意点もあります。ここでは、親知らずを抜歯した当日におすすめの食事や注意点を紹介します。
親知らずの抜歯を行う場合は、局所麻酔を行うのが一般的です。麻酔が効いている間の食事は以下のようなリスクがあるため、控える必要があります。
麻酔が効いている間は熱い・冷たいという感覚がなくなるため、熱いものを食べたときに気づかずに火傷をするケースがあります。
深い火傷を負っても気づけず、処置が遅れて深刻な状態になることもあるため注意が必要です。
また、麻酔が切れて舌や口周りの筋肉を動かせるようになっても、温度感覚は鈍っていることがあります。
麻酔が完全に切れて熱い・冷たいという感覚が戻るまでは、熱いスープや飲み物、食事などは控えましょう。
口の中が麻痺した状態で食事をすると、舌や口の中を噛んでしまって傷が生じるケースがあります。
誤咬(ごこう)と呼ばれる現象で、本人は普段通りにそしゃくをしているつもりでも、麻酔の影響によって口周りの筋肉が正しく動かせずに起こります。
疲れているときなどに口内や舌を噛んでしまい、口内が出血し口内炎の原因になります。しかし、このケースであれば口内や舌を噛んだときの痛みで気づけますが、麻酔が効いている間は気づけません。
そのため、傷が複数個所にできたり、大きくなったりしやすいため注意が必要です。
麻酔が完全に切れて口内に違和感がなくなり、痛みを感じる神経が正常になるまでは食事を控えた方がよいでしょう。
抜歯をすると施術した箇所からは血が出てきますが、これには傷口をかさぶたのように防ぐ役割があります。
血餅といいますが、血管外に出た血液は5分から10分ほどで固まるのが一般的です。しかし、血餅をはがしてしまうと血が止まらなかったり、傷口に細菌が入るなどのリスクがあります。
抜歯をして間もないうちだと傷が新鮮で血餅が弱く、食事によって取れてしまう可能性があるため注意が必要です。
特に麻酔が効いている間は食事をしていても感覚がないため、舌で触ったり食べ物に触れたりして血餅を剥がしてしまうことがあります。
個人差もありますが、麻酔が完全に切れるまでには2時間~3時間ほどかかります。
麻酔が切れたら注意を払いながら食事を取ることもできますが、当日は傷が新鮮でやわらかく血餅が取れやすいため、硬いものや粘着性のある食べ物は避けましょう。
当日は、あまり噛まずに食べられる以下のような食事がおすすめです。
雑炊やスープなどは熱さに注意が必要です。
温度感覚が正常に戻って熱さの認識ができるようになっても、患部に熱が伝わると血餅がはがれたり、痛みが強くなる可能性があります。
また、ゼリーは吸って飲むタイプだと吸引時に圧力がかかり、血餅がはがれることもあるため控えましょう。

ここでは、親知らずの抜歯から数日間の食事について紹介します。
抜歯してから2~3日後は傷口が安定していないため、食事をとるときは治療部位の反対側で噛みましょう。
また、食事については腫れや痛みに応じて変わります。
親知らずを抜歯してから翌日以降は、治療部位やその周辺が大きく腫れる場合があります。また、腫れや痛みのピークは抜歯直後ではなく、抜歯してから24時間~48時間です。
顔が腫れるほどになると口の中の筋肉が引っ張られることで、口を開けることが難しくなります。噛む動作も満足にできなくなるため、人によっては当日よりも2日目の方が食べられるものに制限がかかることもあります。
一方で、親知らずの生え方に問題がなくスムーズに抜歯できた場合であれば、腫れや痛みがほとんどないこともあります。
特に上に生えている親知らずだとすぐに抜けることが多く、痛み止めを飲むだけで収まることも珍しくありません。
抜歯後2~3日に、痛みや腫れに関係なく避けたい食事として以下が挙げられます。
香辛料を避けた方がいい理由は、傷口に入り込んで痛みを引き起こしたり、血行を促して傷口を開いてしまう可能性があるためです。
キムチやカレーのように香辛料を多く使った料理は、控えた方がよいでしょう。
また、肉や小魚の多い硬い食べ物は治療痕を傷つけるため、柔らかく調理されたものを取ることをおすすめします。
ごまや刻みのりなどの小さな食べ物も傷口に入りやすく、それによって痛みが生じたり、自身で取ろうとして状態が悪化する場合もあるため注意しましょう。
麺類については、「すする」という動作で血餅をはがしてしまうリスクがあります。そのため、麺を切るなどして、すする行為に注意しましょう。
抜歯当日から2~3日後にかけては、傷の治りを早めるためにもアルコールは控えましょう。
アルコールを摂取すると血管が拡張して血液の流れが良くなるため、傷口から出血しやすい状態になります。その状態が続くと、傷口がふさがりにくくなり、細菌に感染するリスクも高まるため控えなければなりません。
また、抜歯後に飲む抗生物質の効果も高まり、薬による副作用のリスクも高まります。
親知らずの抜歯による傷を早く回復させるためには、バランスよく栄養を取ることが重要です。
口の中の傷は自然治癒に任せる部分もありますが、免疫を高めて炎症を防ぐためには食事が大切です。
摂取した方がいい栄養素は以下の通りです。
傷の状況によっては制限がかかる食事もありますが、できるだけバランスよく栄養素を取り入れられるように食べやすく調理するなどの工夫をしましょう。
抜歯してから数日間は、以下のような柔らかい食事がおすすめです。
抜歯後2~3日であれば治癒も進んでいるのが一般的で、口の中は何を食べても受け入れる状態になっています。
しかし、患部が腫れていると食べたくても口を大きく開けることができず中に入りません。
食材が口の中に入ることを意識して具材を細かく刻んだり、たくさん噛まなくても飲み込めるものにしましょう。

親知らずの抜歯から通常の食事に戻すまでの期間は、歯や口内の状況によって変わります。ここでは、この期間中に食事で注意するポイントやもとに戻すタイミングを解説します。
親知らず抜歯から通常の食事に戻すタイミングは、痛みや腫れがない場合は1週間が一つの目安です。
一方で、1週間以上経過しても痛みや腫れ、違和感が残っている場合は、柔らかい食事を中心に取って硬い食事やスパイシーな料理は避けましょう。
血餅は抜歯から7日~10日くらいで自然になくなりますが、それまでは剥がさないように患部での食事は避けることも重要です。
親知らず抜歯後は食事が原因で症状が悪化するリスクもあることから、なかなか通常の食事に戻すタイミングがわからないという方もいるでしょう。
そのような場合は、歯科医師に相談するのもおすすめです。
親知らずの抜歯後にできる血餅がはがれてしまった場合、ドライソケットが発生して1ヶ月にわたって痛みが続くこともあります。
ドライソケットになると通常は痛みが落ち着いてくる3日目以降から強い痛みが生じるようになり、食事や呼吸がつらくなるケースも少なくありません。
特に熱いものや冷たいもので痛みを感じやすくなるため、親知らずの抜歯から数日後にこのような症状が現れた場合はドライソケットを疑いましょう。
ドライソケットは歯科医師に相談し、抜歯した部分が再び血液で覆われるように再出血を促したり、抗生剤や鎮痛剤を投与して痛みの軽減を図ります。
こうなると、ドライソケットが治るまでは食事に注意する必要が出てくるため、元に戻すまでには時間がかかります。
ドライソケットは以下のような原因で起こりやすいため、抜歯後は十分に注意しましょう。
基本的には歯科医師から受けた注意事項を守って過ごしていれば、ドライソケットは起こりにくくなります。
しかし、体質によっては血餅ができにくい場合もあります。
親知らずを抜いたあとは、傷口が生じることで細菌が繁殖して炎症を起こすケースがあります。
歯肉炎や骨髄炎などを発症するケースがありますが、親知らずを抜いた痛みと自己判断して治療が遅れるケースもあるため注意が必要です。
このような状況下で食事を無理に取ると、患部が痛んだり症状の悪化につながります。
また、傷口から侵入した細菌が体内を巡り全身の症状を引き起こす場合もあります。本来であれば免疫機能が働いて細菌は死滅しますが、免疫力が低下していると重度な感染症につながるリスクもあるため早めの対策が必要です。
このように、親知らずを抜いたあとはドライソケットや細菌感染症のリスクがあるため、違和感を覚えるようなら歯科医師に早めに相談する必要があります。
また、抜歯後に処方される薬の中にはこれらのリスクを抑えることを目的に処方しているものもあるため、適切に服用することも大切です。
この記事では、親知らず抜歯後当日から数週間後にかけてどんな食事ができるかや、タイミング・注意点などを紹介しました。
抜歯後当日は麻酔が完全に切れるまで食事は控え、ゼリーやヨーグルトなどの流動食を取りましょう。抜歯後から2~3日後までは傷口が十分に塞がっていないため、患部に刺激を与えるような食事は避けて、その後から徐々に戻していくのがおすすめです。
しかし、親知らずの抜歯後はドライソケットや細菌感染が起こることもあります。
食事によって症状が悪化するリスクもあるため、違和感を覚える場合は早めに歯科医師に相談して対処しましょう。
また、親知らず抜歯の予後の状態は歯科医院や歯科医師によっても大きく異なります。抜歯後のトラブルを避けて、通常の食事に早く戻すためには、実績のある歯科医院を選びましょう。
さくら歯科口腔外科クリニックには、外科チームで形成される親知らず専門外来があります。
痛みにくく・腫れにくい方法で治療を行うため、「親知らずを抜きたいけど怖い」、「親知らずの痛みや腫れが怖い」という方にもおすすめです。
相談のみにも対応し、予約抜歯や即日抜歯、本数まで自由にお選びいただけます。
また、さくら歯科口腔外科クリニックは、地域最大の多職種歯科クリニックとしてさまざまなお口のトラブルに対応しています。
歯や口にお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。
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行徳駅徒歩1分にある当院は虫歯や歯周病治療だけでなく、親知らずや顎関節症など歯科口腔外科を専門にしたドクターが在籍するクリニックです。また、飲み込みやことばの発達にも積極的に取り組んでいます。 人がひとらしく、生活を営む上で欠かすことのできない要素の一つに「口からものを食べる」という機能があります。 この機能が、病気や障がい、加齢などで低下もしくは失われることは、健康的な生活を送る上で深刻な問題です。 当院では大学講座・大学機関と連携し、一人ひとりに最適な診療を実現できる環境を整えています。 さらに、経験を積んだ歯科衛生士や歯科技工士、言語聴覚士が、患者さまのニーズに細やかにご対応いたします。 歯科口腔外科・矯正歯科・小児歯科・審美歯科・ホワイトニング・歯周病などの治療は行徳さくら歯科口腔外科クリニックにご相談ください。