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奥歯のインプラントはできるのか?できない場合の対処法と治療の流れまで解説

奥歯のインプラントはできるのか?できない場合の対処法と治療の流れまで解説

欠損した奥歯に対して、「インプラント治療が適用できるのか」「適用できる場合、どのような治療の流れになるのか」気になる方は多いでしょう。

奥歯は咀嚼力に大きく影響する歯です。抜けたまま放置すれば噛み合わせが崩れ、頭痛や顎関節への負担など全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。

そこで、天然歯に近い機能を取り戻せる有効な選択肢となるのが、奥歯のインプラントです。

この記事では、奥歯のインプラント治療の可否を左右する条件から難しい場合の対処法、治療の流れまで詳しく解説します。

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奥歯のインプラントはできるのか 

奥歯のインプラントはできるのか 

奥歯のインプラント治療が、患者さまの口腔環境にとって現実的な選択肢となり得るのか、その基礎的な知識と判断基準を紹介します。

奥歯のインプラントとは

奥歯のインプラント治療では、歯を失った顎の骨にチタン製の人工歯根(インプラント体)を外科的に埋入し、それを土台に人工の歯を装着して機能を回復させます。

奥歯は咀嚼の中心であり、硬い食べ物を細かくすり潰すのが主な役割です。その機能の回復は、食生活の質(QOL)に直結します。

インプラントは入れ歯やブリッジと異なり、顎の骨に直接固定するため、天然歯とほぼ同等の強い噛む力を再現できるのが最大の特徴です。

奥歯のインプラントの可否を決める基準

インプラント治療が可能かどうかは、主に顎の骨の状態と患者さまの全身の健康状態によって決まります。

まず局所的な条件としては、以下の2つの軸で判断します。

  • インプラントをしっかりと支えるための十分な骨の高さと厚み
  • 骨の質(骨質)が良好であること

次に全身の健康状態では、以下のような要因が治療の妨げになると考えられます。

  • 糖尿病
  • 重度の心臓病
  • 血液疾患
  • 重度の歯周病
  • 喫煙習慣

これらはインプラントの結合や治癒を妨げたり、感染リスクを高めたりする可能性があり、治療前に
できる限りリスクを低減・コントロールすることが重要です。

奥歯のインプラントが前歯より難しくなる理由

奥歯のインプラント治療は、前歯と比べて解剖学的・力学的に多くの制約があり、治療の難易度が高くなります。

まず、奥歯は食べ物を噛み砕く主な役割を担っており、前歯の数倍にもなる強い咀嚼力に耐えられる設計が必要です。また、その力に見合った精密な噛み合わせの調整も欠かせません。

さらに、周囲の重要な組織にも注意が必要です。上顎奥歯の上にある「上顎洞」という空洞と、下顎奥歯の近くにある「下歯槽神経」を損傷しないように、非常に正確な位置へのインプラント埋入が求められます。

加えて、奥歯の部分は口を大きく開けづらい場所でもあり、手術器具の操作スペースが限られます。つまり、治療操作が難しくなるだけでなく、術後の清掃が行き届きにくいこともインプラント治療を難しくしている要因の一つです。

奥歯のインプラントができない場合の改善策 

奥歯のインプラントができない場合の改善策 

インプラントが難しいとされる主な理由の一つは「骨が足りない」ことですが、現代の歯科医療では、適切な準備と最新の技術によって多くのケースで治療が可能となっています。

ここでは、奥歯のインプラントができない場合の改善策を紹介します。

骨造成で不足した骨を補う

奥歯はもともと骨が薄くなりやすい部位であり、インプラント治療を行うには十分な骨の高さと厚みが必要です。

骨の量が足りない場合には、「骨造成」という方法で人工的に骨を増やすことができます。

代表的な方法には、以下のようなものがあります。

  • GBR法(骨誘導再生):骨の厚みが足りない部分に人工膜と骨補填材を使用し、骨の再生を促す方法
  • サイナスリフト・ソケットリフト:上顎奥歯のインプラントに必要な高さを確保する方法

これらの骨造成により、これまでインプラントが不可能とされていたケースでも治療が可能になることがあります。

上顎奥歯のための骨造成

上顎奥歯の上には「上顎洞」という空洞があるため、インプラントを支える骨の高さが不足しがちです。

この問題を改善するために行われるのが、以下の2つの方法です。

  • サイナスリフト(骨の高さが5mm未満の場合):歯ぐきの側面に小窓を開け、上顎洞を押し上げ、骨補填材を充填
  • ソケットリフト(骨の高さが5mm以上あるの場合):インプラントを埋める穴から骨補填材を挿入し、上顎洞底を押し上げて骨の高さを確保

これらの術式を用いることで、上顎奥歯の骨不足によるインプラント不適応も改善可能です。

歯周病治療でインプラントが可能な環境に整える

重度の歯周病や虫歯が進行している場合、そのままではインプラントを支える骨が不安定なため、術後の感染やインプラント脱落のリスクが高くなります。

そのため、インプラントを成功させるために、歯周基本治療や虫歯治療などが検討されます。

  • 歯周基本治療(歯石除去や炎症のコントロール)
  • 保存が困難な歯の抜歯
  • 虫歯治療の完了
  • セルフケア(プラークコントロール)の習慣化

このようにして感染リスクを徹底的に取り除き、インプラントが可能な状態へと導きます。

専門医院なら治療可能なケースがある

他の医院で「奥歯のインプラントは難しい」と言われたケースでも、高度な技術や設備を備えた専門医院であれば治療が可能になる場合があります。

そのようなケースでは、以下の骨造成を伴わないインプラント手法が選ばれることもあります。

  • 傾斜埋入(チルトインプラント):骨の多い部分を狙って斜めにインプラントを埋入する方法
  • ショートインプラント:骨が少ない場所でも使える短めのインプラント
  • グラフトレスインプラント:骨造成を避けて治療する手法の総称

これらの方法は、治療の負担や期間を軽減するメリットがあります。ただし、精密な診断と技術力が求められるため、専門医との十分な相談が不可欠です。

インプラント治療の流れ 

インプラント治療の流れ 

インプラント治療は、事前の精密検査と計画から手術、そして長期的なメンテナンスまで、複数のステップを経て進められます。

ここでは、基本的な治療の流れをわかりやすく解説します。

初診・CT検査で計画を決める

インプラント治療の最初のステップとして、患者さまの主訴や全身の健康状態(持病、アレルギーなど)を詳しく伺う問診とカウンセリングが行われます。

安全な手術を行うためには、口腔内検査に加えて、CTスキャンによる精密な画像診断が必要です。

CT検査では、顎骨の高さや厚み、骨質を三次元的に把握できるほか、上顎洞や下歯槽神経といった重要な解剖学的構造物の位置を正確に確認できます。

その後、インプラント体の種類や埋入位置、角度、深さなどを決定する治療計画を策定します。

インプラント埋入手術

策定した治療計画に基づき、局所麻酔または静脈内鎮静法(希望者)を用いて、インプラント体(人工歯根)を顎の骨に埋入する外科手術を行います。

奥歯のインプラントは高度な精度が求められるため、事前に製作したサージカルガイドプレートを用いて、計画通りの正確な位置と角度で埋入していきます。

手術自体は、通常1本当たり15分程度で完了することが多いです。麻酔が効いているため、術中の痛みはほとんど感じません。

術後は腫れや痛みが数日間続くことがありますが、処方される鎮痛剤で十分にコントロールできます。

骨と結合する期間

インプラント体埋入後は、人工歯根と顎の骨が生物学的に結合する「オッセオインテグレーション」と呼ばれる治癒期間を設けます。

この期間は、インプラントが長期的に安定した土台となるために非常に重要です。

骨の強さや埋入部位によって期間は異なり、一般的に上顎で約4〜6ヶ月、下顎で約3〜4ヶ月が目安とされます。ただし、骨造成を同時に行った場合や、骨質が軟らかい場合は、骨の成熟を待つ必要があるため、治療期間はさらに延長されます。

骨と人工歯根が結合するまでは、仮歯(または仮義歯)を使用して日常生活を送ることが可能です。

人工歯を装着して噛み合わせを調整する

骨との結合が完了した後、インプラントと人工歯を繋ぐアバットメントを装着します。

その後、口の型取りを行い、セラミックやジルコニアなどの素材で作製された最終的な人工歯(上部構造)を装着します。

この最終ステップで行う噛み合わせの精密な調整は、奥歯のインプラント成功において非常に重要です。

噛み合わせが不適切な場合、インプラントに過度な負担がかかり、緩みや破損、周囲骨の吸収(インプラント周囲炎)のリスクを高めます。

そのため、インプラントの寿命を延ばすためには、正確な噛み合わせの調整が治療後のリスクを回避する改善策の一つといえます。

他の治療との比較とインプラントの位置づけ 

他の治療との比較とインプラントの位置づけ 

歯を失った際の治療法には、インプラントの他にブリッジや部分入れ歯があります。

ここでは、それぞれの治療法がどのようなケースに適しているのか詳しく解説します。

ブリッジが適するケース

ブリッジとは、歯を失った部分の両隣の歯を削って土台にし、橋のように人工歯を固定する治療法のことです。

周囲の歯が健康で、短期間かつ比較的低コストで治療を終えたい方に適しています。

保険適用が可能なケースもあり、治療費を抑えたい方や外科手術に抵抗のある方にとって現実的な選択肢となります。

【ブリッジの特徴】

  • 治療期間が比較的短い(約2週間〜1ヶ月)
  • 固定式のため、異物感が少ない
  • 見た目も比較的自然に仕上がる

ただし、健康な歯を削る必要があり、長期的にその歯の寿命を縮める可能性があります。また、失った歯の下の骨には力が加わらないため、顎の骨が徐々に痩せていくリスクもあります。

部分入れ歯が適するケース

部分入れ歯とは、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)をかけて固定する「取り外し式の義歯」のことです。

複数の歯を失っていて、費用や身体的負担を抑えたい方に適しています。

外科手術が不要で、多くの欠損症例に対応できるため、高齢の方や全身疾患のある方にも選ばれる治療法です。

【部分入れ歯の特徴】

  • 保険適用で費用を抑えやすい
  • 治療期間が比較的短く、調整もしやすい

ただし、部分入れ歯には以下のようなデメリットもあります。

  • バネをかける歯に負担がかかりやすい
  • プレート部分による違和感や発音のしづらさ
  • 咀嚼力が天然歯の40〜60%程度
  • 顎の骨が痩せるのを防ぐ効果がない

快適さや機能性を重視したい方は、他の選択肢と慎重に比較する必要があります。

インプラントが適しているケース

インプラントは、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を固定する治療法です。

強い咀嚼力と自然な見た目を求め、口全体の健康を長期的に維持したい方に適しています。

周囲の健康な歯を削る必要がなく、自立した構造で機能性・審美性に優れているのが最大のメリットです。

【インプラントの特徴】

  • 天然歯に近い噛む力(咀嚼能力)を再現
  • 見た目が自然で、違和感が少ない
  • 骨に力が伝わることで、骨の吸収(痩せ)を防止できる
  • 長期間にわたる安定性(10年以上もつケースが多数)

費用や治療期間は他の方法に比べて大きくなりますが、耐久性・快適性・健康面の維持を重視する方にとって、魅力的な選択肢といえます。

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奥歯のインプラントのトラブル予防 

奥歯のインプラントのトラブル予防 

奥歯のインプラントは、強い咀嚼力に日々さらされる部位であるため、適切なケアを怠るとトラブルが起こりやすくなります。

ここでは、奥歯のインプラントを長持ちさせ、快適に使い続けるための予防のポイントを紹介します。

奥歯インプラントを長持ちさせる工夫

毎日のセルフケアと定期的な歯科メンテナンスの両立は、インプラントの長寿命に不可欠です。

奥歯は清掃しにくく、インプラントの周囲に汚れがたまりやすい場所です。そこで、自宅での歯磨きに加えて、インプラント専用の歯間ブラシやデンタルフロスを併用しましょう。

特に、インプラントと歯ぐきの境目にプラーク(細菌のかたまり)を残さないことが、炎症や感染の予防につながります。

また、以下のような要素もインプラントの寿命に大きく関わります。

  • 定期的な噛み合わせのチェックと調整
  • 喫煙の中止(血流悪化により治癒や免疫力が低下)
  • 糖尿病などの全身疾患のコントロール

食事と歯磨き、喫煙、睡眠などの生活習慣を正すことが、インプラントのトラブルを防ぐ重要な一歩です。

インプラント周囲炎の予防ポイント

インプラントを失う最大の原因である「インプラント周囲炎」は、定期的なプロケアで予防できます。

インプラント周囲炎は、天然歯でいう歯周病にあたり、歯ぐきの炎症や骨の吸収を引き起こす細菌感染です。

見た目には異常がわかりづらく、進行するまで自覚症状がないことが多いため、早期発見が非常に重要です。

予防のためには、3〜6ヶ月に1回のペースで 歯科医院を受診し、専門器具を使ったクリーニング(プロフェッショナルケア)を受けることが推奨されます。

日常のケアだけでなく、プロケアもしっかり組み合わせることが、インプラントを健康な状態で維持し続ける鍵となります。

噛み締め・歯ぎしりへの対策

インプラントには天然歯のようなクッション機能(歯根膜)がないため、無意識の歯ぎしり(食いしばり)によってインプラント体や人工歯の破損につながります。

そこで、以下のような習慣をつけて噛み締めや歯ぎしり対策をするのがおすすめです。

  • 就寝時にナイトガード(マウスピース)を装着する
  • 深呼吸や軽い運動、趣味の時間を取り入れてストレスを発散する
  • 日中の噛み締めに気づく習慣をつける
  • 猫背やうつむき姿勢にならないよう注意する
  • スルメやナッツ類、フランスパンなどの硬い食べ物をなるべく避ける

多くの方は自分の噛み締め癖に気づいていないため、歯科でのチェックと早めの対応をおすすめします。

まとめ

奥歯のインプラントは、咀嚼力をしっかり補うだけでなく、他の歯や顎の骨を守るという点でも有効な選択肢の一つです。

骨の状態や全身の健康によっては難しいとされるケースでも、骨造成や専門的な治療技術を用いることで、多くの方がインプラント治療を受けられる時代になっています。

行徳さくら歯科口腔外科クリニックは、インプラントや顎関節などの歯科口腔外科に特化した総合歯科診療施設です。

当院では、各分野のエキスパートが連携した診療体制のもと、患者さまの負担軽減に配慮した治療を徹底しています。

欠損した奥歯の治療法でお悩みの方は、この機会にお気軽に当院までご相談ください。

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この記事の監修者
川本幸寛

川本 幸寛(院長)

歯学博士・歯科医師

医療法人社団桜尚会理事長
行徳さくら歯科口腔外科クリニック院長
歯学博士・口腔外科学会認定・臨床研修歯科医師指導医・歯科医師

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