言葉が遅い子のトレーニング方法とは?言葉の発達ステップや遅れの原因を解説

お子さんの言葉の遅れが気になっている方はいませんか?
言葉の発達には個人差があると分かっていても、育児書を読んだり周りの子どもと
比べてしまったりして、不安な気持ちになってしまうものです。
では、家庭で行える言葉の発達を促すための方法はあるのでしょうか。
この記事では、言葉が遅い子のトレーニング方法についてご紹介します。
子どもの言葉の発達段階や言葉が遅れてしまう原因についても説明していきますので、
ぜひ、子どもと関わっていくための参考にしていただけたら幸いです。
赤ちゃんの言葉の発達ステップ
まずは、子どもの言葉が生まれてからどのように発達していくのかを理解しておきましょう。
赤ちゃんの言葉の発達段階を順番にご紹介しますので、自分の子どもの言葉の発達が遅れていると感じている方は、確認してみてください。
ただし、あくまでも目安であり、言葉の成長スピードには個人差があることを頭に入れて
おきましょう。
泣く|生まれてすぐ
生後間もない赤ちゃんは、まだ言葉を話せません。
その代わり、この頃の赤ちゃんは、
泣くことで「お腹が空いた」「おむつが不快」といった感情表現をしています。
クーイング|生後2~4ヵ月頃
生後2~4ヶ月頃になると、泣き声だけでなく「あー」「うー」といった声を出すように
なります。
これは、口腔内が発達して出るようになるクーイングと呼ばれる発声で、
赤ちゃんの声帯が発達してきている証です。
クーイングは、赤ちゃんの機嫌が良いときや、リラックスしたときなどに出やすくなります。
喃語|生後4~6ヵ月頃
生後4~6ヶ月頃には、
赤ちゃんが意味のある言葉を話すための発声練習である喃語を話すようになります。
初めは「ばばば」「だだだ」のように、赤ちゃんが発する子音と母音が連続する短い音を
出しますが、徐々に喃語のバリエーションが増えていきます。
赤ちゃんの喃語は必ずしも何かを伝えようとしているのではなく、喃語で声遊びをしながら、舌や口、声帯などの使い方を習得しているのです。
指さし|生後9~10ヵ月頃
生後9〜10ヶ月頃から、赤ちゃんは指差しという行動をとったり、身振り手振りをしたりして、自分の気持ちを表現しようとします。
また、この頃になると、周りのものに興味を持ち始め、大人の話し声や周りの音を
真似するようになります。
そのため、赤ちゃんが興味を持ったものの発音を教えてあげると
言葉を身につけやすくなるでしょう。
一語文|1歳~1歳半頃
1歳~1歳半頃になると、喃語から「まんま(ごはん)」「ぶーぶー(車)」のように、
意味のある単語を話せるようになります。
自分の名前も理解して呼びかけに反応したり、周囲の人の言葉や身振りを真似したりします。
身近な人への要求も、一語文や指差しで伝えられるようになっていくため、
親子でのコミュニケーションもしやすくなるでしょう。
二語文|1歳半~2歳頃
1歳半~2歳頃になると、「まんま、たべる」「わんわん、こわい」など、
簡単な二語文でコミュニケーションを取れるようになっていきます。
また、自分の気持ちを「うん」「やだ」などの言葉で伝えられるのもこの時期です。
赤ちゃんが興味を持つものに対して、大人がその名前や感情を教えてあげることで、
徐々に言葉を習得していくので、赤ちゃんとどんどん会話をしましょう。
言葉の発達が遅れる原因
ご紹介した通り、子どもの言葉の発達には目安があるものの、個人差が大きいことが
わかっているため、1〜2歳であまり喋らなかったとしても、それがその子のペースなのかも
しれません。
その一方で、他の理由で言葉の発達が遅れている場合もあります。
ここでは、子どもの言葉の発達が遅れる原因として考えられるものをご紹介します。
個性・性格
他の子と比べて言葉が出てこない理由の一つに個人差があります。
子どもの性格や個性によって、発する言葉が少なかったり、言葉を発しなかったりする場合が
あります。
特に、大人しい性格の子は積極的に言葉を発しないケースが多いです。
この場合、周りの言葉をしっかり理解できているようなら、無理に喋らせようとせず、
優しく見守ることも大切です。
生活環境の問題
子どもの生活環境によって、言葉の発達が遅れてしまう場合もあります。
例えば、共働きで家庭内で会話をする頻度が少なければ、言葉を聞く、話す機会が
得にくくなるため、言葉を覚えるのに時間がかかってしまう恐れがありますし、
テレビやスマホを見ている時間が長ければ、言葉を話したいという欲求が薄れてしまう恐れがあります。
そのため、子どもの言葉の発達に生活環境も大きく関わっているという点を理解したうえで、
親の意識を変えていくよう心がけましょう。
聴力の問題
音を聞いて言葉を覚えるため、そもそも人の声やものが出す音があまり聞こえていない場合、言葉を発するのが難しいです。
聴力が問題で子どもの言葉の発達が遅いと感じる方は、正面からではなく、
子どもの背後から声をかけてみてください。
もし、背後からの言葉に反応できないようであれば、難聴の疑いがあるので、
耳鼻科を受診するのがおすすめです。
話しかけに対して反応がある場合は、他の原因が考えられます。
知的発達の遅れ
知的発達が全般的に遅れている場合、言葉の発達も他の子に比べてゆっくりになります。
この場合、言葉だけでなく、すぐに理解するのが難しかったり、身の回りの習慣などに遅れが見られたりするため、全体的に幼い印象となるでしょう。
単純性言語遅延
子どもの成長において、言葉だけが遅れている状態を単純性言語遅滞と言います。
言葉以外でのコミュニケーションが取れていたり、周りの言葉に理解を示していれば、
自然と言葉が身に付いてくるでしょう。
単純性言語遅滞 のお子さんは2〜3歳にかけて言葉が急激に発達するケースが多いですが、
心配な方は、定期検診の際などに相談してみるのが有効です。
発達障害
発達障害の代表的なものとして、以下が挙げられます。
- 注意欠陥多動性障害(ADHD)
- 自閉症スペクトラム障害(ASD)
- アスペルガー症候群
これらは年齢よりも発達が遅れており、こだわりが強かったり、コミュニケーション力や
社会性が不足していたりするといった特徴があります。
ただし、発達障害にも個人差があり、全くお喋りしない子もいれば、
たくさんお喋りする子もいるなど、さまざまです。
*お問い合わせ*
発達障害かもしれないと思ったときの相談先
発達障害とは、生まれつきの脳機能の発達の偏りなどにより、社会生活に困難が生じる障害を言います。
子どもの言葉が遅れている場合、個人差の範囲である可能性は高いですが、発達障害が原因である場合もあります。
では、発達障害かもしれないと思った場合、どこに相談すれば良いのでしょうか。
ここでは、子どもの言葉の遅れを相談できる機関についてご紹介します。
無料の相談窓口に相談する
子どもの言葉の発達が遅れているのが心配な方は、
まず専門機関の相談窓口で相談してみるのがお勧めです。
以下の機関では、無料で相談が行えます。
- 発達障害者支援センター
- 児童発達支援センター
- 精神保健福祉センター
- 保健所・保健センター
- 子育て支援センター
- 児童相談所
また、乳幼児検診の担当の方や、保育園・幼稚園の先生に話し、相談先を紹介してもらうのも
有効です。
医療機関に相談する
子どもに発達障害の診断があれば、その子どもに合わせた支援計画の立案や合理的配慮が
可能となるほか、行政のさまざまな支援サービスを受けることができるので、医療機関の受診を検討してみるのもお勧めです。
ただし、まだ幼い子の場合は個人差の範囲内である可能性も高く、
発達障害の診断が下りない場合もあります。
それを理解したうえで、発達障害者支援センターなどの相談窓口で相談し、
病院を紹介してもらうと良いでしょう。
子どもの言葉の発達を促すトレーニング
これまでお話しした通り、小さな子の成長は個人差が大きいため、他の同月齢の子の言葉の発達具合と比べて遅くても、成長するにつれて他の子と同じように話すようになる可能性が高いです。
しかし、日常生活の中で意識していくだけで、言葉の発達を促進できる場合があります。
言葉が遅いお子さんの言葉の発達を促進させるトレーニング方法として、以下が挙げられます。
- 絵本の読み聞かせをする
- 積極的にコミュニケーションをとる
- 短い言葉で分かりやすく話しかける
- 子どもの動作を言葉にする
- 他の大人や同年代の子との交流を増やす
- 言葉の遅れを叱らずゆっくり待つ
全てご家庭で取り入れられるものなので、ぜひ、試して見てください。
絵本の読み聞かせをする
言葉を習得するのに絵本の読み聞かせが適しています。
文字が読めなくても、描かれたイラストと大人が読み聞かせる言葉を結びつけて言語力を
養うのです。
しかし、言葉が遅い子にとっては、絵本が苦痛で読み始めると逃げてしまったり
聞いてくれなかったりすることもあるでしょう。
その場合、ページ数や文字が少ないもの、仕掛けがあるものなど、
絵本の内容が子どもが楽しめるか、興味が持てるものなのかを考えて選ぶのがお勧めです。
積極的にコミュニケーションをとる
言葉を獲得するうえで重要なことは、人に興味を持ち、その人と関わりたい、
話したいと思う気持ちです。
自分にとって大好きな人、安心できる人、楽しい人に対しては、子どもはその人に言葉で
何かを伝えたいと思い、言葉を獲得するための原動力となります。
そのため、子どもにとって心地よい存在であるために、子どもと向き合って、
コミュニケーションをとっていくことが大切です。
話すときは短い言葉で分かりやすく
子どもは周りの話す言葉や音を聞いて言葉を習得していくので、日常生活の中で積極的に
声かけしてあげることが大切です。
ですが、子どもの聴力は大人と違って発達途中であり、早口では聞き取れない可能性が
あります。
そのため、子どもが理解できるようにゆっくりと、簡潔に分かりやすく伝えるよう
心がけましょう。
子どもの動作を言葉にする
子どもの言葉の理解を促すために、子どもの動作を言葉にして代弁してあげるのも
良いでしょう。
言葉が遅い子にとって、言葉を理解して感情を相手に表現することがとても難しいのです。
子どもの気持ちを代弁してあげると、安心感を与えられるだけでなく、
伝え方を学ぶきっかけにもなります。
そのため、子どもが何を思っているのか、何を伝えようとしているのかを
じっくり確かめることが大切です。
他の大人や同年代の子どもとの交流を増やす
親子での交流が主な場合は、他の大人や同年代の子どもたちとの交流によって
言葉の発達が促進される可能性があります。
特に、子ども同士の関わりはお互いに刺激を受け、お友達の言葉や仕草を観察し、
真似するなかで言葉を覚えたり、一緒に遊ぶ中で相手とコミュニケーションを
取りたいがために喋るきっかけになったりと、言葉の成長に繋がっていくのです。
他の子どもたちとの交流が少ないと感じているご家庭は、同年代の子どもが多くいる公園や
住んでいる地域の児童館、子育てセンターなどに積極的に足を運んでみると良いでしょう。
言葉の遅れを叱らずゆっくり待つ
子どもが喋らないことに焦ったり不安を感じたりする方もいるでしょう。
ですが、子どもにとっての大きなストレスとなり、余計に喋らなくなってしまうので、
どんな理由があっても、言葉の遅れを叱ってはいけません。
また、頑張って喋った言葉が間違っていた場合に「そうじゃない」と直すのも、
自信をなくす原因となるのでやめましょう。
さらに、子どもの気持ちを大人が先回りして喋るのも逆効果となるので、子どもの気持ちを
聞きたいときは返事を急かさず、ゆっくり待つように心がけてください。
子どもと楽しみながら言葉のトレーニングを行おう
0〜2歳頃の子どもの言葉の発達は個人差が大きく、成長とともに他の子と同じように喋ることができるようになる可能性が高いです。
しかし、日常生活の中で子どもが人と接する機会が少なかったり、コミュニケーション不足を実感したりしているようなら、今回ご紹介した言葉の発達を促すトレーニングを取り入れて
いただけたらと思います。
親子でさまざまな環境や遊びを楽しみながら色んな言葉に触れ、成長する過程を
見守りましょう。
また、どうしても心配だという方は、言語聴覚士や作業療法士などの専門家が在籍する
医療機関や児童発達支援の事業所などに相談してみるのがお勧めです。
さくら歯科口腔外科クリニックでは、お子さんの言葉の発達について「ご相談・診察」が
できます。少しでも親御さんへの「不安」を解消すべく、当院在籍の言語聴覚士が全力で
支援いたしますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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