発語なしの2歳児は発達障害?しゃべらない原因や言葉の発達を促す方法を紹介

2歳ごろになるとさまざまな機能が発達し、しっかりと歩けるようになるほか、
話す言葉が急激に増えておしゃべりが上手になるなど、大きな成長がみられるように
なります。
ですが、子どもによっては発達に遅れが生じることもあり、
「単語しか話さないけれど大丈夫だろうか」「ほとんどしゃべらないから心配」など、成長や身体機能に問題があるのではないかと不安になってしまう方もいるでしょう。
そこで今回は、2歳児の言葉の発達が遅れる原因や言葉が遅いと感じたときの対処法をご紹介します。
2歳児の言葉の発達度合いを確認し、子どもが言葉を覚え、言葉を発するのに
有効な方法を見つけましょう。
2歳前後の言葉の発達目安
2歳児は飛躍的に言葉が発達する年齢と言えます。
2歳前後でどのくらいの語彙があるのか、年齢別の目安は、以下の表の通りです。
年齢 | 語数 | 文章 |
1歳 | 約3語 | 1語文 |
---|---|---|
1歳半 | 約30語 | 2語文を使い始める |
2歳 | 約300語 | 3語文を使い始める |
2歳半 | 約400語 | 多語文を話すようになる |
3歳 | 約900語 | |
3歳半 | 約1200語 |
ここでは、2歳前後の言葉の発達過程について詳しく見ていきましょう。
1歳半~2歳頃
1歳半~2歳頃は、どんどん言葉を覚えていく時期です。
また、「これ、ちょうだい」「ママ、きて」といったように、
2語文で話せるようになっていきます。
また、主語と述語などの文法の法則性も自然に理解し始めます。
2歳~2歳半頃
2歳~2歳半頃は、
子どもとのコミュニケーションがどんどんとれるようになっていく時期です。
「ママ、おみずちょうだい」「くまさんのえほん、よんで」など、3つの単語を
組み合わせた3語文を話すようになります。
主語や述語に目的語も組み合わせられるようになり、より意味のあるやり取りが
可能になるでしょう。
また、「どうして?」「なぜ?」といったように、疑問もどんどん増えてきます。
2歳半~3歳頃
2歳半~3歳頃は、複数の単語を繋げた多語文を話せるようになっていきます。
発音もしっかりしてくる時期で、ハッキリと話せる子もいるでしょう。
また、大人の真似をしたがるようになるのもこの時期の特徴です。
2歳児への言葉の教え方
日常生活の中で子どもへの遊びや声掛けを意識すれば、
子どもがどんどん言葉を覚え、話すことができるようになります。
ここでは、ご家庭で簡単に取り入れられる2歳児への言葉の教え方を
ご紹介しますので、参考にしてください。
絵本を読み聞かせる
文字が読めない子どもにとって、言葉を習得するのに絵本の読み聞かせが
適しています。
絵を見ながらストーリーを言葉で聞くことで、絵本に登場する人や動物、
モノの名前を覚えるだけでなく、話の内容を理解していき、「楽しい」「悲しい」
といった、さまざまな感情と言葉を繋げて覚えることができるようになります。
ページ数が少なければ飽きずに最後まで読めますし、繰り返して読みやすく、
覚えやすいでしょう。
日常的に話しかける
子どもが言葉を習得するには、繰り返しが大切です。
そのため、家族や周りの人たちが「おはよう」「こんにちは」「おやすみ」などと、
積極的に声掛けをしましょう。
日々の行動や習慣と言葉が繋がれば、「この行動をするときはこの言葉を使う」
といったように、言葉の意味も分かるようになります。
子どもは大人と違って聴力が完全ではないため、
できるだけ短い言葉をゆっくり話しかけるように心掛けてみてください。
言葉を発したら褒める
子どもが言葉を発したときに褒めて安心感を与えることで、
言葉を話す意欲に繋がります。
適切なシーンで正しい言葉の使い方ができたら「よくできたね」「凄いね!」と
ポジティブな声掛けをしてあげると、子どもの成功体験として自信に繋がり、
記憶にも残りやすくなります。
ただし、子どもが話す言葉が間違っていても、注意したり、言葉を遮って訂正するのはやめましょう。
注意されることで言葉を発するのを嫌がったり、緊張したりしてしまう可能性が
あります。
2歳児がしゃべらない原因は?考えられる可能性
2歳頃になると、これまで単語だけだった言葉が2つの言葉を繋げた2語文が
だんだん話せるようになるなど、運動機能と同様に言葉も飛躍的に発達していきます。
ですが、発達には個人差があるため、たくさん話す子もいれば、
まだ言葉が出ない子もいます。
我が子の言葉の発達が遅いと、「大丈夫かな?」と不安になりますよね。
ここでは、2歳児が喋らない原因として、考えられるものをご紹介します。
性格や個人差
子どもの性格や環境によっては、あまりしゃべらない子どももいます。
積極的に周りと関わろうとする子どもや感受性が豊かな子どもは言葉を覚えて
発するのが早い傾向にありますが、反対に、おとなしい子どもや内向的な性格の子どもはなかなか言葉を発しません。
ただし、そういった子どもでも成長とともに自然と言葉を発するようになるため、
それほど心配する必要はありません。
自分たちの話す言葉を理解していて、しっかりコミュニケーションが取れているので
あれば、もう少し様子を見ておいても良いでしょう。
コミュニケーション不足
人との関わりの中で言葉が育っていくものなので、コミュニケーションの機会が
少ない場合、言葉の発達を遅らせてしまう原因になります。
子どもは自分に向けられた言葉だけでなく、大人同士の会話も見聞きして
言葉を覚えていきますが、会話が少なかったり、テレビや動画に頼って
コミュニケーションの時間が減ってしまったりしていると危険です。
子どもが何かに関心を持っても、それに反応してくれる人がいなければ、
言葉を習得することができないので、しっかり子どもとコミュニケーションを
とっていくことが重要です。
聴覚の問題
子どもの言葉が遅い原因として、聴覚に問題がある場合もあります。
言葉の発達には言葉を聴く力が欠かせないため、他の人が話す言葉が聞こえづらいと、自分が話すべき言葉がわからず、言葉が遅れてしまうのです。
子どもに正面から声をかけると、目で確認して返事をしたり、
近づいてくる場合があるので、子どもの耳の聞こえが気になるときは、
子どもの背後から話しかけてみてください。
もし、背後からの言葉に反応できないようであれば、難聴の疑いがあるので、
耳鼻科を受診すると良いでしょう。
発達障害
発達障害の症状の1つとして、言葉の発達の遅れがあり、発達障害には以下のように
さまざまな種類があります。
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD(注意欠如多動症)
- SLD(限局性学習症)
- 知的障害(知的発達症)
ただし、言葉の遅れがあっても、必ずしもそれが発達障害であるとは限りません。
また、ASD(自閉スペクトラム症)は言葉の遅れ以外にも特性が見られるケースが多いですが、この時期の成長は個人差が生まれやすく、2歳ごろに発達障害であると
判断するのは非常に難しいです。
子どもが「発達障害かもしれない」と思ったら
一般的な2歳児の特徴として、自我がめばえたり好奇心が強くなったりして、
運動機能の発達とともに言葉も発達していきます。
そのようななかで、同年代の子どもと比較して「自分の子どもが発達障害かも
しれない」と感じる方もいるでしょう。
ここでは、子どもの発達障害を疑われる場合の対応などをご紹介します。
発達障害を疑う兆候チェックリスト
2歳児で発達障害を疑う兆候として、以下があるか確認してみましょう。
- 話すのが遅い、言葉が不明瞭
- 友達と交流が少ない
- 人と目を合わせようとしない
- 身振り手振りをしようとしない
- 抱っこを嫌がることがある
- 1つのことにすごく興味をもつ
- 特定の音や感触に過敏になる
- 走る、ジャンプする、などが難しい
- 同じ動きや言葉を繰り返す
ただし、これはあくまでも発達障害を疑う兆候であり、子どもの成長には個人差が
大きく、これに当てはまるものがあるからといって発達障害とは断言できません。
専門機関に相談するのがおすすめ
医学的に診て基準は満たしておらず、グレーゾーンであったとしても、
子どもの発達障害の可能性を心配している場合は、
専門機関に相談してみるのがお勧めです。
発達障害の相談先としては地域ごとに設置されている以下の機関が利用できます。
- 子育て支援センター
- 児童相談所
- 保健センター
- 児童発達支援センター
これらは、子どもの発達や精神的な健康に関する相談にも対応しており、
状況に応じて適切な支援やサービスが受けられます。
当院では、お子さんの言葉の発達について「ご相談・診察」ができます。
その際は、お気軽に当院へご相談ください。
少しでも親御さんへの「不安」を解消すべく、当院在籍の言語聴覚士が
全力で支援いたします。
*お問い合わせ*
2歳児の言葉の発達を促す方法
2歳児の成長は個人差が大きいため、一般的な言葉の発達過程よりも
遅れていたとしても、あまり心配する必要はありません。
ですが、現状を少し変えるだけで、言葉の発達を促すことができる可能性があります。
ここでは、2歳児の言葉が遅いと感じたときに試していただきたい子どもへの接し方をご紹介します。
体を動かして脳に刺激を与える
2歳児へ知識だけを教える方法は向いていません。
体を動かしたり手を使って実際に触れたりすることで脳が刺激を受けて発達し、
言葉を習得しやすくなります。
たとえば、写真や絵を見て「これは花だよ」と教えるよりも、実際に花を観察したり、匂いを感じたり、触れてみたりすると子どもの記憶に残りやすいです。
そのため、子どもが直接モノに触れて、その体験に対して親から言葉を添えることを
大切にしましょう。
同年代の子どもとの交流を増やす
子ども同士の関わりによってお互いに刺激を受け、言葉の発達が促進されるケースも
あります。
例えば、お友達を仕草や言葉を見て真似をすることで言葉を習得したり、
一緒に遊んでいるときにお友達とコミュニケーションをとろうとして言葉を
話そうとしたりと、同年代の子どもとの交流によって、「相手ともっと関わりたい」
という思いから言葉の発達に繋がっていくのです。
性格やコミュニケーション不足で言葉の発達が遅れていると感じている場合は、
同年代の子どもがいる公園や児童館、住んでいる地域の子育てセンターなどに
積極的に足を運んでみると良いでしょう。
話しかける回数を増やす
日常生活で子どもに話しかける回数を増やすと、言葉を聞く機会が増えるので、
言葉の発達に繋がります。
普段家族でご飯を食べているときでも、「美味しいね」「甘いね」
「お水が冷たいね」など、積極的に話しかけると良いでしょう。
また、子どもと同じ目線で同じものに注目して話しかけることも大切です。
例えば、散歩中に子どもが猫を見ていたら、「猫さんだね」「小さいね」
「茶色いね」などの特徴を伝えていくと、名前だけでなく語彙も
どんどん増えていきます。
新しい体験をさせる
新しい刺激に対して子どもは非常に敏感で、言葉の成長を助けてくれるケースも
あるので、子どもの興味や関心を広げるために、刺激となる体験をどんどん
積み重ねましょう。
旅行や特別なイベント等に参加するのはもちろん、日常生活の中でもできることは
たくさんあるのです。
たとえば、いつもと違うルートで散歩をしたり、花畑で香りを感じたり、
雨の日に長靴を履いて水たまりで遊んだりするなど、
五感が刺激される体験を取り入れるのがお勧めです。
そして、さまざまな体験から生まれる気持ちを言葉にするように促してみてください。
焦らずに見守ることも大事
自分の子どもと同年代の子が、たくさんおしゃべりしていると、
羨ましく感じることもあるでしょう。
ですが、心配し過ぎて無理に言葉をしゃべらせようとしたり、
言い間違いを注意したりすると、子どもが緊張感を持ってしまい、
しゃべることを諦めてしまう可能性があります。
親が心配しすぎると子どもも不安になり、神経質になるケースもあるため、
焦らずにそっと見守りながら、日常生活や遊びの中で声掛けを心掛けてみてください。
2歳児の言葉の発達には個人差あり!工夫して言葉の成長を促そう
自分の子どもが2歳を過ぎても他の子と違ってあまりしゃべらなかったら、
不安な気持ちになったり、先天性の病気を疑ったりすることもあるでしょう。
ですが、幼少期の言葉の発達には個人差があり、2歳であまり
しゃべらなかった子でも、3歳になったら急に喋り出すことも十分あり得ます。
そのため、焦らずに子ども一人ひとりのペースに合わせて見守ってあげるのも
大切です。
また、子どもの言葉の発達を促す方法もたくさんありますので、保育園の先生や病院、専門機関に相談しながら、ご家庭でできるものを取り入れてみましょう。
さくら歯科口腔外科クリニックでは、お子さんの言葉の発達について「ご相談・診察」ができます。少しでも親御さんへの「不安」を解消すべく、当院在籍の言語聴覚士が
全力で支援いたしますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。
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