予防歯科の費用はいくらかかる?料金相場や通う頻度の目安を解説

歯科医院で行われる予防歯科は、虫歯や歯周病などを予防するために定期的に
通院する必要があります。
予防歯科に興味を持っていても、その際にかかる費用について不安があり、
なかなか受診できずにいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、予防歯科にかかる費用について詳しく解説します。
結論として、予防歯科の費用は保険診療か自由診療かによって大きく異なり、
口腔内に疾病が認められない場合は、保険が適用されず、治療費は原則として
全額患者負担となります。
しかし、将来的にかかる虫歯や歯周病の治療費を考慮すると、
予防歯科を取り入れていた方が負担する費用が少なくなる可能性が高いです。
ぜひこの記事を参考に、治療の費用面も考慮しながら、
ご検討いただけたらと思います。
予防歯科とは
予防歯科というのは、歯に問題が起こってから歯科治療をするのではなく、
発症する前予防していく診療です。
歯を健康に保つために、積極的に歯科医院に通うほか、自宅でもセルフケアを行い、
歯を失う原因である虫歯や歯周病にかからないようにします。
早い段階から予防歯科を取り入れていれば、年齢を重ねても虫歯ゼロを目指せるため、一生、自分の歯を使い続けることも可能です。
予防歯科と定期健診の違い
「予防歯科と歯の定期検診は何が違うの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
それぞれ関係はあるものの、目的が異なります。
定期検診は主に口腔内で問題が起きていないかを確認する目的で行われ、
検査やレントゲン撮影などを通して虫歯や歯周病の早期発見を目指します。
一方、予防歯科は虫歯や歯周病を未然に防ぐのが主な目的で、
健康的な口腔内の状態をキープするために行うものです。
日本でも予防歯科が重要視されている
日本では「虫歯になってから歯の治療を行えば良い」と考える人が多く、
予防歯科に対する意識が低いです。
しかし、ヨーロッパの先進国に目を向けてみると、6、7割が定期的に歯のメンテナンスを行っており、歯科先進国のスウェーデンは予防歯科の意識が極めて高く、
約9割の人が予防歯科に通っているとされています。
実際、厚生労働省発表の2018年度歯科疾患実態調査で80歳前後の高齢者の
残存歯数では、スウェーデンは21本であるのに対し、日本は8本と、
いかに予防歯科が重要であるかが分かります。
そのため、近年では80歳になっても自分の歯が20本以上あるのを目指す
「8020運動」を国として推進し、予防歯科を意識する人が増え続けているのです。
予防歯科はすべき?メリット・デメリットを紹介
初期段階の虫歯や歯周病は自覚症状がほとんどないため、痛みが出たときにはすでに
進行している可能性が高いです。
そのため、早い段階から予防することが大切です。
ここでは、予防歯科のメリットとデメリットをご紹介しますので、
それぞれを比較して予防歯科をすべきか検討してみましょう。
予防歯科のメリット
虫歯や歯周病の自覚症状が出てから歯科医院を受診すると、
治療をしっかり受けたとしても、発症する前に比べると歯や歯茎、顎の骨の健康は
損なわれてしまいます。
しかし、定期的に歯科医院に通うことで、虫歯や歯周病になる前に
その原因となるものを排除でき、無症状のうちから
早期発見・早期治療が可能となるのです。
これにより、以下のようにさまざまなメリットが期待できます。
- 虫歯や歯周病を早期発見できる
- 虫歯や歯周病になる前に予防できる
- 健康な歯の寿命を延ばせる
- 見た目を美しく保てる
- 痛みのリスクを減らせる
- 全身の病気の予防になる
- 認知症のリスクを減らせる
- 歯を大切にする意識が高まる
虫歯や歯周病などの口腔内トラブルは、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病など
さまざまな病気の原因にもなるため、予防歯科は歯の健康だけでなく、
全身の健康にも有効な手段とされています。
予防歯科のデメリット
予防歯科のために歯科医院に通う費用が発生する点が、唯一のデメリットと
言えるでしょう。
ただし、予防歯科では虫歯や歯周病など口腔内トラブルを未然に防ぐことを
目的としています。
将来虫歯や歯周病を発症し、その治療にかかる費用を考えると、
トータルの費用を抑えられる可能性が高いです。
予防歯科の費用は高い?
予防歯科を検討している方は、どのくらいの費用がかかるのか気になりますよね。
歯科医院で受ける予防歯科には、保険診療と自由診療があり、それに応じてかかる
費用も大きく異なります。
審美目的で診療を受ける場合や、虫歯や歯周病など疾患がない状態で
予防歯科をしたい場合は基本的に自由診療となる点をおさえておきましょう。
自由診療であれば、施術の内容や時間、施術者の技量など、さまざまな事柄を考慮し、それぞれの歯科医院が費用を設定するため、保険診療に比べて予防歯科の費用が高額になります。
保険診療と自由診療それぞれの内容について見ていきましょう。
保険診療の場合
保険診療であれば、患者さんの医療費負担は1割~3割に抑えられます。
保険診療での予防歯科は治療を目的としているため、口腔内検査のほか、必要に応じてレントゲン撮影、歯のクリーニング、フッ素塗布などを行います。
予防歯科にかかる費用は初診料を含めて4,000〜5,000円程度が相場です。
自由診療の場合
自由診療の場合、予防歯科にかかる費用は全額患者さんの負担となります。
費用は歯科医院によって異なりますが、5,000〜3万円程度が相場です。
予防歯科の内容も歯科医院によって異なります。
メニューごとに料金設定される場合もあれば、ひとつのメニューとして
料金が決められている場合もあるので、確認してみましょう。
虫歯や歯周病が見つかった場合
歯科医院での予防歯科の途中で虫歯や歯周病などが見つかった場合、そちらの治療にも取り掛かる必要があるため、さらに費用がかかると覚えておきましょう。
虫歯治療に関しては、保険診療で治療費が1,000〜1万円程度が相場です。
詰め物だけで終わる治療や、神経を抜かなくてはいけないほど症状が進行した場合の
治療など、進行度合いや治療内容、部位などによって多少値段が変わってきます。
また、審美性の高い治療を受けたい場合は自由診療となるため、
費用は高額になるでしょう。
2020年から保険適用範囲が拡大
2020年の診療報酬改定により、口内トラブルの初期症状が認められる場合など、
条件付きで保険適用が認められるようになりました。
予防歯科の保険適用の条件として、具体的には以下の3点です。
- 口腔内に虫歯や歯周病などがある
- 歯に悪影響を及ぼす可能性がある
- かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)として認定された歯科医院
虫歯や歯周病がない状態で予防歯科を検討しており、保険適用を希望する場合は、
か強診と認定された歯科医院を探してみると良いでしょう。
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歯科医院で行われる予防歯科の治療内容と料金相場
歯科医院で行われる予防歯科とは、どのような内容で、それぞれどのくらいの費用が
かかるのでしょうか。
ここでは、歯科医院での予防歯科の治療内容と料金の目安についてご紹介します。
スケーリング
スケーリングは歯石取りを指します。
歯石は一度ついてしまうとこびりつき、固くなるため、歯ブラシで落とすことが
困難となります。
歯石を放置すると虫歯や歯周病になるリスクが高くなるため、定期的にスケーリングを行い、歯石のない状態をキープする必要があるのです。
歯周病などの治療としてスケーリングを行う場合には保険適用となり、検査代を含めて3割負担で3,000〜4,000円程度かかりますが、歯が良好な状態の場合や着色除去の
ために行う場合は自由診療となります。
フッ化物歯面塗布処置
予防歯科の一環として、フッ化ナトリウムを用いたフッ化物歯面塗布処置を行います。
お口の中の細菌の働きを弱める効果や、歯の質を高める効果が期待できる成分が
含まれているため、虫歯や歯周病対策として有効です。
最近では、歯磨き粉にフッ素が配合しているものもありますが、
歯科医院で処置するものは濃度が高いため、より効果的な効果が期待できます。
フッ化物歯面塗布の費用相場は、3割負担で1,000円前後と、比較的受けやすい治療
です。
虫歯や歯周病を発症するとそれ以上に治療費がかかってしまうので、
大切な歯を失わないためにも検討してみましょう。
シーラント
シーラントとは、奥歯の溝にフッ素入りの材料を詰めて歯の溝を浅くする予防歯科の
ひとつで、主にお子さんの虫歯を予防するために行われる処置です。
将来的に虫歯になるリスクが高い歯に行われるケースが多く、
歯の溝に汚れが溜まるのを防いで虫歯や歯周病を予防します。
シーラントの費用相場は、
保険適用の場合で歯1本あたり500円〜1,000円程度、
自由診療では2,000円〜5,000円程度です。
効果は数年間持続するものの、剥がれたり経年劣化したりすることもあり、
その場合は新しく施す必要があります。
ブラッシング指導
予防歯科においては、ブラッシング指導も重要な項目です。
患者さん一人ひとりの汚れが溜まりやすい部分や磨き残しの部分を検診によって
把握し、自宅での正しいブラッシング方法を指導します。
虫歯や歯周病予防は歯科医院での処置と同じくらい、日頃のセルフケアも重要です。
定期的な歯のクリーニング等とともに、毎日の歯ブラシや歯間ブラシ、
デンタルフロスなどの補助道具を使用してのセルフケアを実践することで、
高い予防効果を発揮します。
費用相場は300〜3,000円程度と歯科医院によって差があります。
PMTC
PMTCとは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、国家資格を持つ
歯科医師や歯科衛生士が専用の器具を用いて行う、歯のクリーニングをいいます。
一度形成されると歯の表面にこびりつき、日常的なブラッシングでは
取り除けないバイオフィルムと呼ばれる細菌の塊を除去するのがPMTCの目的です。
PMTCは虫歯や歯周病予防に効果的ですが、基本的に保険が適用されず、
自由診療となります。
PMTCの費用相場は8,000円〜10,000円程度です。
予防歯科はどのくらいの頻度で通うべき?
予防歯科では、虫歯や歯周病などの症状が出ていなくても、
定期的に歯科医院に通う必要があります。
では、一体どのくらいの頻度で歯科医院に通ったら良いのでしょうか。
ここでは、予防歯科の頻度の目安やその理由についてお話しします。
一般的な歯のクリーニング
虫歯や歯周病の症状がなく、一般的な歯のクリーニングのために通う場合は、
予防歯科の頻度は一般的に、3ヶ月に一度のペースが良いとされています。
歯科医院での歯のクリーニングや予防処置を行えば、虫歯菌や歯周病菌の数が
減少します。
しかし、その後自宅で丁寧にケアをしていたとしても、
細菌の数は時間の経過とともに元に戻ってしまうのです。
その期間が約3ヶ月であることから、虫歯や歯周病がなくても
3ヶ月に一度の頻度で予防歯科を行うのが良いでしょう。
歯周病をすでに患っている方
自宅でのセルフケアが苦手で、歯に汚れが付着しやすい人や、すでに歯周病が進行してしまっている方は、1〜2ヶ月に一度の頻度で歯科医院に通うのが望ましいです。
歯石は歯ぐきの上の見える部分だけではなく、歯周ポケットの見えない部分にも
蓄積されています。
歯周ポケットが4mm以上ある歯が一つでもある場合、歯周ポケットの中に
プラークが入り込み、歯周病が悪化するため、早めのクリーニングが必要です。
また、歯科医院では歯のクリーニングの他に、ブラッシング指導も行うため、
セルフケアが苦手な方は、定期的に歯の磨き残しがないかチェックしてもらい、
正しいブラッシング方法を理解すると良いでしょう。
予防歯科は将来的な治療費の負担を減らせる!
予防歯科では、保険診療か自由診療かによって、費用が大きく異なります。
虫歯や歯周病を患っていない場合は自由診療となるケースが多く、
治療費の負担を心配する方もいるでしょう。
しかし、予防のための治療は虫歯や歯周病になってから治療を受けたときと比べると、トータルでかかる費用を安く抑えることができるうえ、万が一発症した場合でも、
初期の段階で発見できれば、簡単な治療で済むので、治療期間が短く、
治療費も抑えられます。
健康な歯をいつまでも使い続けるために、予防歯科についての意識を
高めていただけたら嬉しいです。
さくら歯科口腔外科クリニックでは、それぞれの分野で活躍する歯のエキスパートが
多く揃っています。予防歯科を検討している方は、お気軽にご相談ください。
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