顎関節症でやってはいけないことは?生活習慣やセルフケアに危険が潜む!?

「顎関節症かな?」と自覚してから、多くの人がまず行うのがインターネット検索です。
自宅でできるセルフケアやマッサージの方法が多く紹介されていますので、
ご自身に合う方法が見つかれば、病院に行かなくても痛みが緩和されるかもしれません。
しかし顎関節症の治療は1人1人の症状や進行具合に合わせて異なりますので、
インターネットの情報だけを鵜呑みにして取り掛かるのは、症状悪化のリスクがあります。
「顎関節症に効果がある!」と紹介されていたとしても、実は安易にやってはいけないことなのかもしれません。
顎関節症の人がやってはいけないこと、顎関節症の人がやるべきことをまとめましたので
参考になさってください。
顎関節症の人がやってはいけない習慣
顎関節症は生活習慣が密接に関係しており、無意識の習慣が原因となっている可能性が
あります。
顎関節症の人がやってはいけないこととは、以下のようなものです。
- 左右どちらかで噛む
- 顎に負担がかかる姿勢
- TCH(歯列接触癖)
- 歯ぎしり
- 急に口を大きく開ける
- うつ伏せ寝をする
- 爪を噛む癖
- スキューバダイビングや管楽器などの趣味
左右どちらかで噛む
食事の際に左右どちらかの歯で噛む習慣があるという方は、顎関節の動きに左右差が
生じてしまっているかもしれません。
私達は日常生活の中で無意識的に呼吸や歩行を行っており、咀嚼という行為も無意識で
行っているものです。
そのため左右どちらかのみの歯で噛む習慣があったとしても、自覚していない場合が
あります。
片噛み癖は顎関節症の原因になりますので、まずは噛み癖がないかをチェックして
みましょう。
顎に負担がかかる姿勢
顎に負担がかかる姿勢をとっていると、顎関節に圧力がかかって緊張状態となり、
痛みの原因となります。
具体的には、「頬杖をつく」「デスクワークで長時間下を向いた姿勢」
「スマホ使用時の首を前に付き出すような姿勢」などが、顎に負担がかかる姿勢です。
仕事でどうしてもデスクワークが避けられない方は、座位姿勢を意識してみましょう。
背筋を伸ばして美しく座ると意識するだけでも、習慣を変化させるための第一歩と
なります。
TCH(歯列接触癖)
TCH(歯列接触癖)とは、上下の歯を無意識に接触させてしまう癖です。
上下の歯はリラックスした状態で1~3mmの隙間が開いているのが理想的な状態なので、
上下の歯が接触していると顎関節に負担がかかってしまっています。
まずは理想的な状態を知り、ご自身の状況を認識するのが大切です。
TCH(歯列接触癖)があると自覚される場合は、リラックス時に歯があたらないよう
意識するところから始めましょう。
歯ぎしり
癖のある方は何気なく行っている歯ぎしりですが、その力は強く、体重の2~5倍の力に
なるといわれています。
歯や顎に大きな負担がかかり顎関節症の原因となりますので、すぐに習慣を
改善させるべきです。
歯ぎしりは、噛み合わせやストレス、疲労や被せ物の不具合などが要因であると
考えられます。
就寝中の歯ぎしりは自覚が難しいものなので、歯科医院で相談しながら治療を
していくのが望ましいです。
急に口を大きく開ける
口を大きく開ける行為は、顎に負担となり顎関節症の原因となります。
歌手やアナウンサー、コールセンター業務の方や司会者というように、
話すことを仕事にしている方は、顎関節症になりやすいので注意が必要です。
口を大きく開けるのが基本のお仕事なので、日常的に負担がかかり、
改善が難しくなる傾向にあります。
プライベートな時間では、あくびで大きく口を開けすぎないというように意識して
生活するようにしましょう。
うつ伏せ寝をする
性格や好みから、うつ伏せ寝が習慣になっている方がいますが、顎関節症の痛みが
ある場合はあまりおすすめできません。
うつ伏せ寝だと顔や首に負担がかかり、顎関節症の痛みがひどくなってしまうかも
しれません。
また知らず知らずのうちに頚椎にも負担がかかっていますので、せっかく眠っても
疲れがとれにくくなっている可能性もあります。
顎関節症の痛みが気になる時は、意識的に仰向けで眠るようにしましょう。
爪を噛む癖
爪を噛む癖は、顎関節に負担がかかっているため顎関節症の原因になります。
さらに歯並びにも影響しますので、噛み合わせが悪くなると顎関節症に繋がる要因と
なります。
ストレスが理由で爪を噛む癖がやめられないという方がいらっしゃいますが、
衛生面を考えても、できるだけ改善させるべき習慣です。
好みのネイルで美しくするなど、爪を噛まなくなるような工夫をしてみましょう。
スキューバダイビングや管楽器などの趣味
顎関節症にストレスは大敵ですので、趣味を楽しむ時間は大切です。
しかし趣味の内容によっては、顎関節症の痛みを悪化させるものがありますので
注意が必要です。
例えばスキューバダイビングは、長時間マウスピースを装着する必要があり、
咀嚼筋が冷やされる状況にあるためおすすめできません。
管楽器奏者は顎口腔や周囲の筋肉に負担をかけますので、顎関節症になりやすいという
特徴があります。
同様に顎への負担を考えると、カラオケも控えた方がよいでしょう。
ストレス発散のための趣味は、顎に負担がかからないものを選ぶようにしてください。
顎関節症の人がやってはいけないセルフケア
顎関節症は口腔外科で治療を行いますが、「自宅で痛みをとれるのではないか」
「口腔外科は行きにくい」という理由から、セルフケアで対応しようとする方が
少なくありません。
間違ったセルフケアがありますので、症状を悪化させてしまわないよう注意しましょう。
- TCH(歯列接触癖)改善のためのガム
- 市販のマウスピースを使う
- 自己流ストレッチ
- 整体で肩や筋肉のコリをほぐす
TCH(歯列接触癖)改善のためのガム
口腔環境を整えるためにガムが効果的であるという説があります。
ガムを噛むと唾液が分泌されますので、口腔内の細菌や汚れを洗い流す作用があり、
口腔内を清潔に保つという役割があります。
「ガムが良い」というのは嘘ではありませんが、顎関節症の場合は控えた方が
良いでしょう。
長時間ガムを噛むと顎関節に負担がかかるため、痛みをさらに悪化させてしまうかも
しれません。
顎関節症の治療でガムを用いる場合は、必ず専門医の指示のもと行うようにしましょう。
市販のマウスピースを使う
顎関節症の治療法のひとつに、スプリントというマウスピースを用いるものがあります。
スプリントは患者さまの歯型に合わせて作られた、世界にひとつだけの完全オリジナル
マウスピースです。
市販でもマウスピースが購入できますが歯を保護するのが目的であり、顎関節症の治療や
予防にはなりません。
スプリントは上下の歯の接触を防ぎ、歯ぎしりによる負担を軽減させる目的があります。
市販のマウスピースは顎関節症の治療にならないだけでなく、サイズが合わないと
歯並びが変わってしまう可能性もありますので、自己判断で使用しないようにしましょう。
自己流ストレッチ
顎関節症の治療では、ストレッチやマッサージを取り入れる場合があります。
「運動や咀嚼運動の可動域を広げる」「血流を促進する」といった目的があり、
歯科医院でも推奨されるでしょう。
だからといって、受診をせずに自己流のストレッチやマッサージを行うと、症状が悪化する可能性がありますので注意してください。
youtubeなどでも情報が手に入りますが、患者様の症状に合った治療であるかの判断は、
難しいでしょう。
ストレッチやマッサージを取り入れる場合は、医師の指導のもと、行うようにしましょう。
整体で肩や筋肉のコリをほぐす
顎関節症は姿勢と密接な関係があり、症状がひどくなると肩こりや腰痛といった
不調を引き起こします。
肩こりや腰痛の痛みを感じると、整体で体をほぐしてもらって痛みを緩和させようという
方がいます。
もちろん、一時的に楽にはなるかもしれませんが、痛みの原因が顎関節症なのであれば、
根本の解決とはいえません。
姿勢の改善は重要ですが、整体の施術だけで完全に痛みを取り除くのは、難しいでしょう。
顎関節症の人がすべきこと
顎関節症の人がやってはいけないことをお伝えしましたが、
では、顎関節症の人がすべきこととは何なのでしょうか。
意識的に取り組みたい事柄をまとめました。
- 適度な運動で全身運動をする
- リラックスできる時間を作る
- 口腔外科で治療を受ける
適度な運動で全身運動をする
顎関節症の痛みがある際に自己流のマッサージやストレッチは控えるよう、
お伝えしました。
口周辺の動きに関しては、個々の症状に合わせて適切な動きができるようにしましょう。
一方、体を大きく使った全身運動は全身の血流を促進させますので、
顎関節症の予防にお勧めです。
激しい運動を取り入れる必要はなく、ジョギングや散歩、ストレッチなど無理なく
続けられるものを取り入れてみましょう。
リラックスできる時間を作る
顎関節症はストレスや緊張状態が症状を悪化させます。
さまざまな要因が考えられますが、自律神経のバランスも顎関節症に関与していると
考えられます。
毎日の生活の中でストレスを感じる時間もあるかもしれませんが、リラックスできる時間も作るよう意識してみましょう。
「お風呂に入浴剤を入れる」「深呼吸をする」というように、簡単にできる
リラックス法から取り入れてみましょう。
口腔外科で治療を受ける
顎関節症の治療は、口腔外科が専門です。
症状や進行具合によって、患者さまにとってのベストな治療が異なりますので、
自己流のセルフケアは行わないようにしましょう。
一般歯科ではなく、口腔外科や顎関節症を専門にしている、という歯科医院を
選ぶようにしてください。
専門知識と技術がある歯科医院を選び、スムーズに顎関節症の治療に取り組める環境を
作っていきましょう。
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顎関節症の習慣についてよくある質問
顎関節症の患者さまの習慣について、よくある質問をまとめました。
- 顎関節症の人におすすめの食事は?
- 顎関節症は横向きに寝ていいですか?
- 顎関節症の時の歯磨きのポイントは?
顎関節症の人におすすめの食事は?
顎関節症の症状がある方は、顎に負担をかけないような食事を心がけましょう。
お粥やヨーグルト、柔らかく煮た麺類などが食べやすいのでおすすめです。
顎関節症になったからといって断食するわけにはいきませんし、
食事は楽しみのひとつです。
好きな食べ物を断つのはストレスになりますので、工夫して食べられるようにしてみると
いいでしょう。
例えば、フランスパンなどは硬いので顎関節症の食事には不向きと言われていますが、
シチューに浸すなどして、柔らかくすれば食べやすくなります。
顎関節症は横向きに寝ていいですか?
顎関節症の症状がある時は、仰向け寝がお勧めです。
うつ伏せ寝だけでなく、横向き寝も顎への負担がかかるので控えるようにしましょう。
顎関節症の時の歯磨きのポイントは?
顎関節症で開口時に痛みを感じる場合は、歯磨きの時間も苦痛に
なってしまうかもしれません。
歯磨きができないと虫歯や歯周病のリスクが高くなり、虫歯により噛み合わせが変わると
顎関節症の悪化の要因となるかもしれません。
口を開きすぎず、顔の筋肉の力を抜いた状態で歯磨きをしましょう。
歯磨きに力は必要ありませんので、やさしく小刻みに歯ブラシを動かしながら
磨いていきます。
歯ブラシだけでなくデンタルフロスなどを使用して、
しっかりと汚れを落としていきましょう。
まとめ
顎関節症の人は症状を悪化させてしまう日常習慣がないか、見直してみましょう。
普段は何気なく行っている事柄かもしれませんので、意識しないと、
なかなか改善はできません。
良かれと思って取り組んでいたセルフケアも、
もしかしたら、ご自身に合わない方法かもしれません。
専門医での治療をスタートさせ、セルフケアや生活習慣の改善にも取り組んでいくと、
早く症状が回復してくるでしょう。
顎関節症の症状に合わせた治療が必要になりますので、専門医にご相談ください。
さくら歯科口腔外科クリニックでは、「顎が痛い」「口が開かない」など、顎のトラブルにマウスピースだけでなく、投薬や理学療法を取り入れた総合的な顎関節治療を
心がけています。
顎関節の治療は、正確な診断と治療を行わなければ長期化や重症化をきたす病気です。
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