歯周病治療は痛い?痛いときの対処法や予防する方法も紹介

歯周病の治療を考える際、多くの方が治療中に感じる痛みについて不安を持っています。
実際に、痛みへの不安から、治療を先送りにしてしまうケースも少なくありません。
今回は、歯周病治療は痛いのかについて紹介します。
他にも「歯周病で痛いときの対処法」や「歯周病で痛むときにやってはいけないこと」に
ついても解説していきます。
ぜひ、この記事を参考にして、歯周病治療の痛みについて理解を深めてみてください。
歯周病治療は痛い?
歯周病治療は、虫歯治療のように歯を削るような処置はほとんどなく、痛みを伴うことも
少ないのが特徴です。
歯周病の治療は、主に歯そのものに手を加えるのではなく、歯と歯茎の間の汚れを取り除くクリーニングが中心となります。
たとえ痛みを感じる場合でも、歯茎が軽く刺激される程度で済むことが多いです。
しかし、治療の内容によっては、比較的強い痛みを感じるケースもあるので
注意が必要です。
具体的に、歯周病の治療別の痛みについては、以下の3つが挙げられます。
- 歯石のクリーニング
- 噛み合わせ調整
- 外科手術
それぞれの項目について解説していきます。
歯石のクリーニング
歯周病治療は、主に歯周病菌が潜む歯石を取り除くクリーニングが中心となります。
歯石は非常に硬く、普通の歯ブラシでは取り除けないので、専用の器具が使われます。
具体的には、超音波振動で歯石を砕く超音波スケーラーや手作業で歯石を除去する
ハンドスケーラーなどがあります。
また、歯石には主に2つの種類があります。
一つは、歯茎の表面に付着しているもの、もう一つは歯周ポケットと呼ばれる、歯と歯茎の隙間に溜まるもので、歯茎の表面の歯石は唾液中のカルシウムが固まったもので、
柔らかめで比較的簡単に除去できます。
一方、歯周ポケット内の歯石は血液中のカルシウムが硬化したもので、より硬く、
取り除くのが難しいだけでなく、自分で気づきにくいことが多いです。
このように、歯石のクリーニングは、虫歯治療ほどの痛みはないものの、
全く痛みがないわけではなく、歯茎に圧迫感やチクチクした感覚を伴う場合があります。
噛み合わせ調整
歯の噛み合わせが悪いと歯周病が進行するリスクが高まるため、歯科では調整の一環として歯を削って、噛み合わせ調整を行う場合があります。
削る作業が伴うため、単なるクリーニングに比べると多少の痛みを感じることがあります。
しかし、虫歯の治療で深く削る場合とは異なり、削るのは歯の表面部分に限られるので、
強い痛みを伴うことは、ほとんどありません。
外科手術
歯周病は、症状が進行し「重度の歯周病」に分類される場合は、外科的な治療が必要になることがあります。
外科手術には複数の方法が存在し、それぞれの治療法によって
痛みの強さや回復に要する時間が異なります。
具体的に、歯周病の外科手術については、主に以下の4つが挙げられます。
- フラップ手術
- 骨移植術
- 歯周組織再生治療法
- 歯肉切除術
それぞれの項目について解説していきます。
フラップ手術
フラップ手術は、歯茎を切り開いて歯周ポケット内の感染した組織や歯石を直接取り除く
治療法です。
歯茎を一時的に剥がすため、術後に痛みや腫れが出ることがありますが、局所麻酔を
使用するため、施術中に強い痛みを感じることはほとんどありません。
手術後の痛みの程度には個人差がありますが、通常は軽いものから中程度の範囲で
収まります。
また、痛みや腫れを緩和するため、必要に応じて鎮痛剤が処方されます。
回復期間については、手術後の治癒には数週間かかる場合があり、その間は、
歯科医師の指導に基づいて適切な口腔ケアを行うことが重要です。
骨移植術
歯周病によって歯を支える骨が損失した場合、骨移植手術が選択肢として考えられることがあります。
骨移植術は、患者自身の骨や人工骨を使用して骨を修復し、歯の支持力を取り戻すことを
目指します。
術後には痛みや腫れが現れることがありますが、手術中は局所麻酔が使用され、
さらに痛みを軽減するための鎮痛薬も処方されるため、手術中に痛みを感じることは
ありません。
回復期間は、骨が再生するには数ヶ月かかる場合があり、
この期間中は適切な口腔ケアが重要です。
歯周組織再生治療法
歯周組織再生療法は、失われた歯周組織を再び構築することを目的とした手術です。
この治療では、エムドゲインやメンブレンといった特別な医療材料を活用し、歯周組織が
自然に再生するプロセスを促進します。
手術は外科的処置を伴うため、術後に痛みを感じる場合があります。
しかし、この痛みは通常、数日から1週間程度で緩和されることが多いです。
治癒期間は、歯周組織が完全に再生するまでには数ヶ月間必要になるので、
定期的な通院が必要になります。
歯肉切除術
歯肉切除術とは、増えすぎた歯肉組織を取り除き、歯周ポケットを浅くする目的で
行われる手術です。
麻酔を使用して実施されるため、施術中に痛みを感じることはありません。
術後の痛みは比較的軽度で、多くの場合、鎮痛剤を使用することで緩和させることが
可能です。
歯周病で痛い時の対処法
歯周病で痛い時の対処法については、以下の3つが挙げられます。
- 口内を清潔に保つ
- 患部を冷やす
- 痛み止めを服用する
それぞれの対処法について解説していきます。
口内を清潔に保つ
歯茎に痛みを感じる場合、原因として歯垢や歯石の蓄積が考えられるので、口内を清潔に
保つようにしましょう。
実際に、汚れが取り除かれずに放置されると、症状が悪化するリスクが高まります。
まず、歯ブラシを使って優しく丁寧に歯を磨くことを心がけることが重要です。
その際、歯だけでなく歯と歯茎の境目も重点的にケアするのはもちろん、
うがい薬を併用することで、より効果的に、口内環境を整えることができます。
患部を冷やす
歯茎が腫れてズキズキと痛む場合、患部を冷やすことで痛みが和らぐことがあります。
保冷剤をタオルで包んだものや、濡らしたタオルを使い、頬の外側から優しく冷やすようにしましょう。
過敏になっている神経を冷やすことで、症状が少しずつ落ち着く場合があります。
しかし、氷を直接頬に押し当てたり、口の中に入れたりすると逆効果になる恐れが
あるので、必ず間接的に冷やすようにしましょう。
痛み止めを服用する
症状を一時的に和らげるためには、痛み止めの服用が有効な方法の一つです。
歯科医院で処方される「ロキソニン」や、薬局で購入できる市販薬「ロキソニンS」などを使用することをおすすめします。
実際に、市販薬であっても、解熱作用や鎮痛作用が期待できるものを選べば、
痛みを軽減するのに役立ちます。
しかし、痛み止めによる効果はあくまで応急的なものであることを理解しておく
必要があります。
痛みを緩和するだけで根本的な解決にはなりませんので、
早急に歯科医院で適切な診断と治療を受けることが大切です。
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歯周病で痛むときにやってはいけないこと
歯周病で痛むときにやってはいけないことについては、以下の4つが挙げられます。
- 患部を触る
- 患部を温める
- 飲酒
- 喫煙
それぞれの項目について解説していきます。
患部を触る
歯周病で痛むときにやってはいけないこととして、患部を触ることが挙げられます。
歯茎が腫れて痛みを感じると、ついつい指や舌で触れたくなるケースは多く見られますが、触れることで刺激を与えてしまい、症状がさらに悪化する恐れがあります。
このように、腫れや不快感があっても、なるべく患部に触れないよう注意しましょう。
患部を温める
歯周病の痛みがある場合、患部を温める行為は控えるようにしましょう。
温めることで血流が促進され、痛みが強まる可能性があります。
カイロなどで直接温めるのはもちろん、激しい運動やサウナのように、体全体が温まる行動も、痛みを悪化させる要因となり得るため避けることが重要です。
また、熱い飲食物をそのまま口にするのではなく、適度に冷ましてから摂るよう
心掛けましょう。
飲酒
アルコールの摂取は血流を促進するため、歯周病による痛みが増す可能性があります。
例えば、ケガを負った際にアルコールを摂取すると、血行が促進されることで炎症が
悪化し、腫れや痛みが増す恐れがあります。
さらに、股関節の痛みが坐骨神経痛と関連している場合、
アルコールが神経系に影響を与え、痛みをさらに強める可能性が指摘されています。
そのため、痛みを悪化させないためにも飲酒は避けるようにしましょう。
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、それにより歯周病菌が
引き起こす炎症が回復しにくくなるので、治療期間を短くするためにも喫煙は避けるようにしましょう。
また、喫煙は歯周病を発症するリスクを高める要因となります。
例えば、1日に10本以上タバコを吸う人は、非喫煙者と比べて歯周病のリスクが高くなる
傾向があります。
さらに、喫煙は歯周病にかかりやすくなるだけでなく、治療をしても回復が遅れる原因と
なります。
このように、禁煙することで、歯を支える組織の状態が改善され、歯周病のリスクが
低下し、治療の効果も向上させることにつながります。
歯周病を予防する方法
歯周病を予防する方法については、以下の3つが挙げられます。
- 健康管理の徹底
- セルフケアを徹底しておこなう
- 定期検診を受ける
それぞれの方法について解説していきます。
健康管理の徹底
歯周病を予防する方法として、健康管理の徹底が挙げられます。
健康管理ができていないと、体の免疫機能が低下してしまい、歯周病が進行するリスクが高まります。
例えば、食事の内容や食べ方に気を配ることが重要で、バランスの取れた食事を心掛けるとともに、抗酸化作用を持つビタミンCや血行を促進するビタミンEを含む食品を積極的に
摂取することが挙げられます。
また、ストレスも歯周病と密接に関係しており、強いストレスを受けると自律神経の
バランスが乱れ、免疫力が低下し、唾液の分泌も減少してしまうので、日頃からストレスを貯めない工夫が必要です。
このように、免疫機能を正常に維持するためには、
日々の食事や睡眠、ストレス管理などといった生活習慣を整えることが重要です。
セルフケアを徹底しておこなう
歯周病を防ぐためには、毎日の丁寧な歯磨きが欠かせません。
柔らかめの歯ブラシを選び、時間をかけてしっかり磨くことが重要です。
しかし、歯磨きだけでは歯垢を完全に取り除くことは難しい場合があるので、
デンタルフロスや歯間ブラシといった補助器具を併用することをお勧めします。
日々の小さなケアの積み重ねが、口腔内の健康を維持することに繋がります。
定期検診を受ける
歯科医院で定期的に検診を受けることで、仮に虫歯や歯周病が発生していても、
早期の段階で発見できる可能性が高まり、迅速な治療につながります。目安としては、
3〜6ヶ月ごとに一度、定期的に通院することを心がけるとよいでしょう。
実際に、歯ブラシが届きにくい部分には、時間が経つにつれてプラークが硬化し、
歯石へと変わってしまい、歯石は通常の歯みがきでは取り除くことができません。
また、歯周ポケットが深くなると歯ブラシの毛先が届かなくなり、
日常のケアだけでは不十分になってしまうので、
定期的に歯科医院で専門的なクリーニングを受けて歯石を取り除くことが大切です。
さらに、定期的に歯科を受診するもう一つの利点は、虫歯や歯周病などのトラブルを
初期段階で発見できることにも繋がります。
まとめ
今回は、歯周病治療は痛いのかについて紹介しました。
歯周病の治療は虫歯の治療とは異なり、主に歯のクリーニングを行うため、
通常は強い痛みを伴うことはありません。
しかし、歯周病が進行して重症化すると、抜歯や歯茎に対する外科的処置など、
より負担の大きい治療が必要になる場合があります。
また、歯周病治療の痛みに対して不安がある場合は、担当の歯科医師に相談することを
お勧めします。
歯周病は早期に治療を受けることで、痛みを最小限に抑えつつ、歯を失うリスクを軽減
できるので、定期的に歯科検診を受け、早めのケアを心掛けましょう。
さくら歯科口腔外科クリニックでは、「歯がぐらつく」、「歯茎から出血する」などの
歯周病に関わる治療を、経験豊富な歯科衛生士が主体的に患者さんと治療計画を立て、
共に実践していく治療を推進しています。
歯周病でお悩みの方はぜひ、お気軽にご相談ください。
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