インプラントは痛いのか?手術中・手術後・数年後に考えられる痛みと対処法

インプラントは、顎に人工歯根(インプラント体)を埋め込む外科手術が必要に
なりますので、「痛そう」「怖い」というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。
手術中や手術直後、また数年という時間が経ったタイミングで、インプラントは
どのような痛みの心配があるのでしょうか。
インプラントで考えられる痛み、その痛みを和らげるためのポイントについてお話します。
インプラント治療の痛みについて
インプラントの外科手術を行う際には、局所麻酔を使用しますので、
痛みの心配はありません。
麻酔が効いていれば痛みはありませんし、もし痛みを感じたら麻酔を追加できますので
安心してください。
ただし局所麻酔のためインプラントを入れる振動を感じるという患者様は
いらっしゃいます。
痛みはありませんが、あまり心地の良いものではないでしょう。
麻酔が切れる手術後は痛みを感じるかもしれませんが、
痛み止めの服用でコントロールできる範囲なので過度に構える必要はありません。
手術が終わり時間が経つにつれて痛みもなくなっていきますので、
医師と経過をしっかりみていきましょう。
インプラント手法別の痛み
インプラント手術の方法により、痛みがある箇所や痛みが続く期間に差があります。
どの術式であったとしても、麻酔が切れれば痛みを感じる可能性があります。
インプラントの手法別の痛みについて、ご説明します。
- 骨を移植する手術の痛み
- 歯茎を移植する手術の痛み
- 骨造成手術の痛み
- 無切開無痛手術の痛み
骨を移植する手術の痛み
インプラント手術で金属の歯根を埋め込むためには、土台となるためのご自身の顎の骨が残っていなければいけません。
歯が抜けた状態で時間が経っていると、顎の骨が痩せてしまっている場合があります。
そこで顎の骨を移植する手術が行われますが、「人工骨移植」と
「ブロック骨移植(自家骨移植)」の2つの手法があります。
ブロック骨移植(自家骨移植)は患者さまの体の一部を移植する手法で、
骨を採取した箇所にも痛みが出ます。
骨移植の痛みは、だいたい手術後10日くらい続くと覚えておきましょう。
歯茎を移植する手術の痛み
インプラントを保護する、審美性を高めるといった目的で、歯茎を移植する場合が
あります。
採取部位と移植部位が同時に傷になるため、手術後は2箇所の痛みが
気になるかもしれません。
採取部位の方が痛むという患者さまがいらっしゃいますが、適宜痛み止めや抗生剤で
様子をみていきます。
手術後2日~3日程度の痛みがあると覚えておきましょう。
骨造成手術の痛み
インプラントの歯根を埋め込むために、骨造成手術が必要になる場合があります。
インプラント手術のみの場合よりも手術範囲が広くなり、患部の痛みや腫れが
出やすくなります。
痛み止めの処方などで対処が可能な痛みではありますが、手術後1週間~2週間の痛みを
訴える患者様もいらっしゃいます。
骨造成手術をすると、通常のインプラント手術よりも痛みが長引く傾向にあります。
無切開無痛手術の痛み
フラップレスインプラント手術とも呼ばれる手術で、メスを使用せずにインプラントを
埋め込む手術です。
歯肉を切開しないため、手術中や手術後の腫れや痛みが少なくなります。
メスを使わないので患者さまの精神的な負担も軽減する方法ですが、インプラントを
埋め込む十分な骨と歯肉が必要であり、全てのケースで使用できる治療法ではありません。
インプラント手術後抜糸の痛み
多くの患者さまが痛みを感じるのが、手術後10日ほどで行われる抜糸です。
痛みに弱い患者様は麻酔をしながら抜糸をしますので、医師と相談しましょう。
抜糸後はインプラント体と骨の結合を待つ期間に入り、痛みはほぼ感じなくなります。
患部が完全に治るまでには1ヶ月程度かかりますので、ブラッシング時には優しい力で
磨くようにして刺激しないようにしましょう。
インプラント手術後数年後の痛み
インプラントは人工歯なので虫歯になる心配はありませんが、以下のような理由で痛みを
感じるかもしれません。
手術して数年経っていても不具合が出る場合がありますので、メンテナンスをしっかり
行いましょう。
- インプラント周囲炎で痛い
- 噛み合わせが悪く痛い
インプラント周囲炎で痛い
インプラント周囲炎とは、インプラントの歯周病のような状態です。
自宅での歯磨きや定期的なメンテナンスが不十分だと、細菌感染によってインプラントの
歯茎や骨に炎症を起こします。
インプラントは一般的に長期予後を見込める治療法ですが、インプラント周囲炎になって
しまうとグラつき、最悪の場合はインプラントが抜け落ちてしまうかもしれません。
一般的な歯周病よりも、進行が早いといわれていますので、歯科医院での定期的な
メンテナンスを怠らないようにしましょう。
噛み合わせが悪く痛い
インプラント手術から時間が経過すると、噛み合わせがズレてきて不具合がでる場合が
あります。
個人の噛み癖や食いしばりが原因で、正しい噛み合わせにしていたはずのインプラントが
合わなくなってくるかもしれません。
噛み合わせは肩こりや頭痛といった他の部分の不調を引き起こす可能性があります。
定期的にメンテナンスを受けていれば、噛み合わせの変化に早く対応できます。
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インプラントの手術後の痛みを和らげる方法
インプラントは手術が終われば痛みの心配がないというものではなく、生活習慣によって
痛みを感じやすくなる場合があります。
インプラントの手術後に、できるだけ痛みを和らげる方法について、お伝えします。
- 禁酒・禁煙
- 刺激物を食べない
- 歯磨きで刺激しない
- 入浴を避けてシャワーにする
- 運動を控える
禁酒・禁煙
お酒やタバコは口腔内の刺激となりますので、できるだけ控えるべきです。
特に喫煙は悪影響を及ぼすものなので、インプラント治療を考えている方は、完全に
禁煙してから手術を受けるのが望ましいです。
タバコに含まれるニコチンやタールは、血流を阻害しますので歯周組織に十分な栄養が
行き渡りにくくなります。
逆にアルコールは血流が促進され、傷口がふさがりにくくなります。
手術後1週間は禁酒が求められますが、傷口が塞がればお酒を飲めるようになります。
タバコは、いつ吸っても害しかありませんので、禁煙できるように心がけましょう。
刺激物を食べない
インプラントの手術直後、傷口が塞がっていない状態で刺激物を食べないように
しましょう。
固くて噛みにくいものや弾力のあるもの、尖って傷口に当たると痛みを感じそうなものは
無理に口にする必要がありません。
また辛味や酸味のあるものも口腔内では刺激物となりますので、おかゆやヨーグルト、
煮込みうどんというように優しい食事から慣らしていきましょう。
歯磨きで刺激しない
インプラントの手術は日帰りでできる場合が多く、手術当日も自分で歯磨きをしなくては
いけません。
手術した部位はできるだけ刺激しないようにして、軽くうがいや他の部位のブラッシングをします。
歯ブラシなどで傷口を触ると出血の危険がありますし、傷口の治りが
遅くなってしまうかもしれません。
手術の場所や範囲によって、歯磨きや自宅でのケアの指導を受けてください。
入浴を避けてシャワーにする
入浴すると体が温まり、全身の血行が良くなりますので、傷口から出血するリスクが
あります。
手術後2~3日が入浴可能の目安となりますが、腫れや痛みが治まらない時は、1週間程度
様子をみてシャワーにしておいた方がいいでしょう。
冬の寒い時期はシャワーだけだと寒いかもしれませんが、傷口の治りを早くするために
入浴を控えましょう。
運動を控える
運動もアルコールや入浴と同様に、全身の血行を促進する行為です。
軽いストレッチなどでも血流がよくなりますので、手術後は安静に過ごしましょう。
インプラントの痛み比較
インプラントの手術を受ける前は、痛そうなイメージが強いかもしれません。
では多くの人が経験しているであろう、虫歯の痛みと比較するとどうでしょうか。
親知らずの抜歯と比較すると、どちらが痛いでしょうか。
痛みは個人差があるもので比較できるものではありませんが、一般的な目安として
痛みについて考えてみましょう。
- インプラントと虫歯どっちが痛い?
- インプラントと親知らず抜歯どっちが痛い?
インプラントと虫歯どっちが痛い?
インプラント手術は麻酔を使いますので、虫歯の痛みの方が痛いといえるでしょう。
虫歯の治療も麻酔を使いますが、神経に触れると痛みを感じます。
虫歯の進行具合にもよりますが、インプラント治療よりも虫歯の方が痛みのリスクがあると考えていいでしょう。
インプラントと親知らず抜歯どっちが痛い?
親知らずの抜歯は歯科治療の中でも「怖い」「大変そう」というイメージが強いものです。
まっすぐ生えている親知らずであれば短時間で抜歯できますが、埋まっている親知らずや
難症例だと60分以上の時間を要するケースがあります。
生え方が複雑だと麻酔が効きにくくなる場合があり、インプラントの手術よりも
親知らずの抜歯の方が痛いといえるかもしれません。
インプラント1本の手術は30分程度で終わる場合がありますので、埋まっている親知らずの治療よりも規模の小さな手術と捉えていいでしょう。
インプラントの痛みに関するよくある質問
インプラントの痛みに関するよくある質問をまとめました。
- インプラント手術は仕事を休むべきですか?
- 痛み止めが効かない時はどうしたらいいですか?
- インプラントが噛むと痛いのはなぜですか?
痛み止めが効かない時はどうしたらいいですか?
医師に処方された痛み止めが効かない時は、すぐに医師に相談しましょう。
痛みを我慢する必要はありません。
痛み止めが合っていないという理由が考えられますが、口腔内に問題が生じている
可能性があります。
一度診てもらって、必要があればさらにお薬を処方してもらうなどしてもらいましょう。
インプラントが噛むと痛いのはなぜですか?
インプラントの手術後であれば、麻酔が切れたため噛むと痛みを感じる場合があります。
手術から時間が経っていれば、噛み合わせに問題が生じている、インプラント歯周炎で
あるといった理由が考えられます。
噛む時に痛みを感じるようであれば、メンテナンス時に早めに医師に伝えて症状を
確認してもらいましょう。
インプラント手術は仕事を休むべきですか?
インプラント手術は日帰りで、また短時間でできるものもありますので、仕事を休む必要はないと考える方がいるかもしれません。
しかし外科手術ですし、精神的な負担を考慮するという意味でもお休みをとるのが
望ましいです。
手術後は安静にしていなくてはいけませんので、リラックスできる環境を整えて
おきましょう。
重い荷物を持つような体に負担がかかるお仕事の場合は、インプラント手術当日だけでなく2~3日お休みを確保できるといいです。
まとめ
インプラントの手術は局所麻酔を使って行いますので、手術中の痛みはそこまで
心配しなくていいでしょう。
麻酔が切れた時には痛みを感じますので、痛み止めを使いながら様子をみていきましょう。
インプラントの手術が終わり、時間が経つごとに痛みはなくなっていきますが、
トラブルがあると痛みを感じます。
インプラントは長く使えるものですが、セルフケアやメンテナンスがあってこそです。
インプラント歯周炎や噛み合わせの変化があれば、適宜最適な状態にしていかなければ
いけません。
インプラント治療をした歯科医院とは長いお付き合いになりますので、
信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。
さくら歯科口腔外科クリニックでは、メンテナンスや患者さんの不安や不満を丁寧に
聴取する医療相談、その後の業界内でトップブランドのCT/X線検査を使用した
詳細シミュレーションを行っており、ご納得していただけるインプラント治療を
心がけております。
インプラントでお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。
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行徳駅徒歩1分にある当院は虫歯や歯周病治療だけでなく、親知らずや顎関節症など歯科口腔外科を専門にしたドクターが在籍するクリニックです。また、飲み込みやことばの発達にも積極的に取り組んでいます。 人がひとらしく、生活を営む上で欠かすことのできない要素の一つに「口からものを食べる」という機能があります。 この機能が、病気や障がい、加齢などで低下もしくは失われることは、健康的な生活を送る上で深刻な問題です。 当院では大学講座・大学機関と連携し、一人ひとりに最適な診療を実現できる環境を整えています。 さらに、経験を積んだ歯科衛生士や歯科技工士、言語聴覚士が、患者さまのニーズに細やかにご対応いたします。 歯科口腔外科・矯正歯科・小児歯科・審美歯科・ホワイトニング・歯周病などの治療は行徳さくら歯科口腔外科クリニックにご相談ください。