大人の歯列矯正はやったほうが良い!後悔しない治療をするためのポイントを解説
歯列矯正は成長期の子供が行う治療のイメージがありますが、成人でも歯列矯正はできます。
正しい噛み合わせは、審美的な観点だけでなく、健康面にも大きなメリットとなりますが、大人になってからの歯列矯正を行う際には、失敗するリスクが気になるポイントです。
本文では歯並びを治す方法・種類や費用を説明します。
治療のリスクや失敗するケースの説明もぜひ参考にしてください。
大人の歯列矯正はやったほうが良い
歯科矯正で期待できる効果はいくつかあります。
- 歯並びを整え正しい噛み合わせを実現する
- 口腔内の清潔を保ち、虫歯や歯周病のリスクを予防する
- フェイスラインが整い健康的で美しい口元を実現する
- 歯の機能回復および滑舌が良好になる
- 歯と歯茎の老化を防ぎ健康の維持に貢献する
このように、歯列矯正は審美的な観点だけでなく、健康にも直結しています。
歯並びが悪いと口腔内の清潔を保ちにくくなり感染症リスクが高まるだけでなく、咀嚼(そしゃく)不良により、硬いものが食べにくい・飲み込みにくいなどのトラブルも起こるでしょう。
ミドル世代は加齢とともに歯並びに影響が出始めるため、口腔内健康維持のためにも矯正治療がおすすめです。
歯列矯正とは?
歯列矯正とは、悪い歯並びや噛み合わせを正しく整え、きれいな歯並びにする治療です。
歯並びが悪いからと、歯を削って差し歯にするのではなく、矯正装置を用いて歯や顎の骨にテンションをかけゆっくりと動かして正しい位置に移動させ治していきます。
歯並びが悪い状態を不正咬合といいますが、症状はさまざまで歯並びだけでなく、上下の噛み合わせ異常で悩んでいる人も少なくありません。
また、歯並びが悪いと見た目にも影響を及ぼし、自信がない・人前に出るのが嫌だなど、精神的な悩みを抱えてしまうケースもあるでしょう。
歯列矯正は歯並びを整えて、審美的問題や噛み合わせの問題を解決していく治療です。
噛み合わせが整うと、口腔内の健康維持にも繋がります。
歯並びを矯正する治療法の種類と各費用
歯並びを矯正する治療には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、いくつかの種類があります。
それぞれの適応や期間、費用も異なるため、メリット・デメリットも合わせて理解をしてから、治療方法を決めなければいけません。
本章では、歯並びを矯正する治療法の種類や費用を解説していきます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正にはスタンダードエッジワイズ法と、ストレートワイヤー法の2種類の方法があります。
スタンダードエッジワイズ法は、歯の形状に沿ってワイヤーを曲げて調整を行うフルオーダーメイドの矯正治療です。
高度な技術が必要で、正確な歯の移動が可能な治療です。
それに対して、ストレートワイヤー法は、歯科医師が持っている技術に差が出ないようあらかじめ、ワイヤーがきれいな楕円のカーブになっています。
ただし、カーブはあくまで平均値で、微調整が必要です。
治療期間は子供と比べて代謝が落ちているためやや長く、器具装着期間は2〜3年かかります。
費用は全額自己負担で、表側のワイヤー矯正の費用は60万〜100万円、裏側は10万〜150万円程度必要です。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、近年増加している歯科矯正です。
種類が多くあり、日本初のマウスピース矯正もあります。
透明の器具を使用し目立ちにくく、オーダーメイドの矯正器具を用いるため、部分矯正にも柔軟に対応できる人気治療です。
また、食事や歯磨きの際には、器具を取り外せるのも大きなメリットです。
ただし、マウスピース矯正には数多くのブランドがあり、費用は50万〜100万円と価格に、ばらつきがあります。
最も古いインビザライン(マウスピース矯正)治療では、重症症例の治療を行っており、幅広い症例に対応可能です。
その他にかかる費用
矯正治療は自由診療で高額になるため、費用の把握が大切です。
治療ごとに再診料が必要で、治療には長い期間がかかります。
再診料自体は矯正代と比べると安くなりますが、毎回3,000〜5,000円の負担が長期間となると、総額が大きくなり注意が必要です。
また歯の状態により特別な処置が必要なケースもあり、矯正治療費以外にも費用が発生します。
矯正前には精密検査や虫歯の有無を確認し、虫歯があったら虫歯治療を行わなければならず、歯の状態によっては歯を削るIPRや抜歯が必要なケースもあります。
矯正終了後には、歯の位置を固定するリテーナーを装着しますが、その費用も必要です。
歯並びを治す際に受ける可能性のあるリスク
歯並びを直す矯正治療は長期間の時間を要するため、治療中に発生する断続的な痛みや毎日の口腔内のお手入れ、審美的な問題が生活にさまざまな影響を及ぼします。
長期間に及ぶ治療のため、期間中に受ける可能性のあるリスクを事前にきちんと把握し、スケジュールやイメージを行っておくと安心です。
本章では、歯並びを治す際に受ける可能性のあるリスクを説明します。
治療による断続的な痛み
矯正治療は歯を動かしていく装置を装着しますが、痛みや圧迫感を伴うためにストレスを感じる場合や、顎関節症の一時的な悪化が発生するケースもあります。
顎関節症とは口の開閉や咀嚼時に雑音を感じる、口の開けにくさ、痛みが生じる症状です。
咀嚼痛や歯痛は多くの患者が経験していますが、必ず全員に生じるものではありません。
口腔内の健康維持に手間がかかる
矯正治療にはさまざまな種類や方法がありますが、何かしらの器具を装着して治療を行います。
マウスピース矯正のように着脱可能で、歯磨きができれば問題ありませんが、簡単に着脱できない固定型は口腔内の清潔を保つ手間がかかります。
器具が当たって口内炎や虫歯になるリスクが高まり、虫歯になってしまうと矯正治療を中断して、虫歯治療をおこなわなければいけません。
器具を装着した状態での口腔ケアが不適切な場合は、歯周病が発生してしまうケースにも注意しましょう。
治療中の見た目・違和感が気になる
矯正治療は歯に装置を長期間装着する治療で、マウスピース矯正・ワイヤー矯正のどちらの方法であっても、口腔内に違和感を感じる場面が多くみられます。
見えにくい透明なワイヤーや歯の裏側に、器具を装着する審美的に配慮した矯正装置もありますが、口腔内に異物を装着するためどうしても違和感が残るでしょう。
また、たった数ミリであっても異物を含んでいる状態となり、口を閉じたときに口の周りが膨らみやすく外見の変化を嫌悪する人もいます。
どんな歯列矯正が失敗しやすい?
歯列矯正は健康面だけでなく審美的な観点なども含め長期間悩んでやっと決断した方も多く、当然治療は失敗のリスクを避けたいです。
本章では大人になってからの歯列矯正で、歯列矯正で失敗してしまうおもな原因を説明します。
適切な診断と治療計画の不足
歯列矯正には長い治療期間が必要なため、クリニック選びが大切です。
一刻も早く始めたい・料金が安いなどで安易にクリニックを選択し治療を開始してしまうなど、いい加減な判断や治療計画不足は不満に繋がります。
クリニックごとに治療方針、費用が異なるため、まずはクリニック選びと治療方針の要望が合致しているかを把握する点が大切です。
適切な診断をおこない、要望やスケジュールを考慮して治療を進めなければ、トラブルの原因となります。
2〜3年と長い期間にあるさまざまなイベントにも対応してくれるような、親身になってくれるクリニックを選ぶようにしましょう。
治療中の制限を守らない
矯正治療は自己管理をしなければいけない場面が数多くあります。
マウスピースは1日の装着時間が決められていますが、指示通りに行われなければ、効果は期待できません。
輪ゴムの装着も指示どおりにおこなう必要があるため、自分のライフスタイルやスケジュールに即した矯正方法を選ぶことが大切です。
食後に歯磨きをしないなど口腔内の清潔維持がおこなわれていなければ、虫歯や歯周病が発生してしまい治療を行わなければならず、矯正治療を中断しなくてはいけません。
後悔しない歯列矯正のためにできること
矯正治療には多くの時間と費用を費やします。
精神的な負担も多い治療のため、後悔なく治療を完結させるためにはどうすればいいのかを確認しましょう。
本章では大切なポイントである医師への相談の徹底と器具や口腔内の清潔の維持について説明します。
納得するまで医師に相談する
矯正治療は、大きな費用と時間を要しますが、ほとんどの方が何度も経験するものではなく疑問や不安があるでしょう。
契約をする前には、クリニックに長い期間通い続けなければいけない点や、治療方針・リスク・補償問題や総額などさまざまな観点から検討を行わなければいけません。
納得できるまで医師と相談をおこない契約をするようにしましょう。
万が一自己都合による転院の必要が生じると、すべて最初からやり直しとなってしまい、時間と費用の負担が増加してしまいます。
器具や口内のお手入れを怠らない
日常的な器具や口腔内のお手入れは、自分で行わなければいけません。
怠ると口腔内にトラブルが発生し、治療の中断・断念の必要が生じてしまい結果にも影響を及ぼします。
また、期間中だけでなく期間後の定期的なチェックやメンテナンスを行い、指導に従う必要も、高い成果には不可欠です。
審美治療では、虫歯治療のように原因を取り除けば完了ではありません。
ゴールは医師の判断ではなく患者自身が決めなければならず、自身が満足できる結果は何なのか、ゴールを定めておくようにしましょう。
保定期間のルールを守る
矯正治療は器具を取り外して終了ではありません。
歯の移動完了後にすぐに歯が固定されるわけではなく、しばらくは元の位置に戻ろうと働き続けます。
そのため、治療完了後も1〜2年ほどの保定期間に歯並びを固定しなければ、あと戻りを起こしてしまうため注意が必要です。
保定期間にはリテーナーと呼ばれる装置を入れておかなければならず、矯正完了後も数年は使用しなければいけません。
リテーナーは装着時間などを守らないと効果がなくあと戻りの原因となるため、指導のもと正しい時間と期間を守るようにしましょう。
クリニックに相談した方がいいケース
十分に相談・検討して始めた矯正治療であっても、長い矯正期間中にはさまざまなできごとが生じます。
転職や結婚などで引越しをしなければいけなくなり通院が難しくなってしまうケースや、治療に伴い噛み合わせが悪化した場合に、不安になる方もいるでしょう。
このような際には、早めにクリニックに相談すると対処をスムーズに進められます。
引っ越しなどで通院ができなくなる
長い治療期間中には、転勤や結婚などで引越しをしなければいけない事態も生じます。
遠方に引越しすると今のクリニックに通院できなくなるケースもあるでしょう。
通院困難なときには、早めにクリニックに相談すると提携クリニックを紹介してもらえたり、引き継ぎがスムーズにおこなえたりと治療を中断しなくても済む可能性があります。
一般的には自己理由での転院では費用保証がありませんが、提携クリニックであれば追加で費用がかからないケースがあるため相談をしましょう。
自分で新しいクリニックを見つけなければいけない際には、日本矯正歯科学会のサイトから、全国の認定医や専門医を検索できます。
噛み合わせの悪化・痛みなどを感じる
矯正治療は初めて経験する方がほとんどで、説明を聞いても治療中に発生するさまざまなできごとが、正常範囲のものなのか不安になります。
たとえば、治療途中には噛み合わせが悪くなってしまうケースもありますが、治療過程か不具合かを自己判断するのは危険です。
不具合回避のためにも、状況の変化を感じた際には医師に相談を行うようにしましょう。
気をつけなければいけないのは、治療の最終段階での噛み合わせ悪化です。
終盤での噛み合わせ悪化は残ってしまうおそれもあるため、早めに相談をし、必要であれば対処してもらいましょう。
歯痛や顎関節痛を感じた場合には、早めの対処をしなければ矯正中断の必要も出てきます。
まとめ
矯正治療は長い期間が必要であり自由診療のため費用もかかります。
治療を始める前にはメリットだけでなくデメリットも把握しておこないましょう。
2年、3年と器具の装着や通院を行わなければならず、ライフプランや方針を考え治療を進めなければいけないため、親身になって相談・信頼できるクリニック選びが重要です。
さくら歯科口腔外科クリニックの院長は日本口腔外科学会に在籍しており、口腔外科医による手術も行っているクリニックです。
歯科技工士が常駐しており義歯や入れ歯も素早く対応でき、技術的にも安心して任せられます。