歯周病になりやすい人の特徴とは?チェックリストからわかる原因と対策
初期には痛みなどもないために、進行してから気付くことが多い歯周病は、歯を溶かす恐ろしい病気です。
生活習慣病の1つともいわれ、成人の半数以上が歯周病および予備軍といわれています。
歯周病になりやすい人は、正しい予防方法を身に着け、1本でも多く自分の歯を保持できるようにしましょう。
本記事では、歯周病になりやすい人の特徴や歯周病の原因、治療方法や予防を解説します。
歯周病になりやすい人の特徴
歯周病はかならずかかる病気ではありませんが、成人になるにつれて発症数が増える歯の疾患です。
子どもでも歯肉炎から、歯周病になるケースがありますから、日頃から正しい口内ケアを行いましょう。
歯周病は、複数の原因が重なることで起こる病気のため、歯周病になりやすい人は日常的に注意が必要です。
歯磨き習慣がない
歯は食事をするだけでなく、正しい歯並びで体のバランスを取っています。
食後に歯磨きをしないと、プラーク(歯垢)が付着し虫歯ができるようになり、食事が咀嚼しにくくなるため栄養が吸収されにくくなります。
唾液の分泌が少なくなり、ドライマウスになると呼吸がうまくできずに、いびきをかくようになり睡眠にも影響がでるでしょう。
歯磨きは歯周病の予防だけでなく、体を健康に保つためにも重要です。
仕事で疲れて早く就寝したい・飲酒で眠いから歯磨きせずに眠ってしまうときもあるでしょう。
理想は食後の歯磨きですが、特に就寝前は、時間をかけてしっかり磨くことが大切です。
喫煙者
喫煙は健康を害する可能性が高い嗜好品で、ニコチンやタールは歯のエナメル質に沈着し、変色の原因になります。
喫煙は口内を乾燥させ唾液の分泌を阻害するため、雑菌が繁殖しやすく、口臭も強くなりがちです。
また、長期間の喫煙は血行を悪くするため、歯茎に栄養が届きにくいだけでなく、歯肉を固くし出血しにくくなります。
歯周病である自覚症状があらわれにくいだけでなく、体の抵抗力も弱くなり、口内は細菌が繁殖しやすい環境になるでしょう。
治療をしても治りにくく、再発しやすい傾向にあるため、歯周病を完治させるには禁煙が必要です。
嚙み合わせや歯並びが悪い
嚙み合わせや歯並びが悪いと、体のバランスが崩れてしまい、どちらかに傾きやすくなります。
食べ物を噛みやすい片側で咀嚼する回数も増えますから、アゴの形が歪み、嚙み合わせのズレも大きくなるでしょう。
嚙み合わせの悪い場所は、歯ブラシで汚れが落としきれませんから細菌が繁殖しやすくなります。
歯並びが悪い方も、隙間や凸凹が多くなるため、歯ブラシでプラークや汚れをかきだすのが難しくなります。
歯磨きがしにくいからと諦めず、歯ブラシを縦に使って重なっている部分を磨きましょう。
小さな歯ブラシを使って、毛先が届かないところまでしっかり磨き、歯間ブラシやデンタルフロスを使って隙間の汚れもしっかり落としてください。
ホルモンバランスの乱れ
思春期はホルモンバランスが安定しないため、皮脂分泌が盛んになり、ニキビで悩む学生が増えます。
ホルモンバランスはストレスでも乱れる場合が多く、男性の場合には肌荒れやイライラ、薄毛などの身体トラブルにあらわれやすいようです。
女性にも同じようなトラブルが起こりますが、妊娠すると、虫歯や歯周病リスクが高くなります。
女性ホルモンである「エストロゲン」と「プロゲステロン」が、歯周病菌の増殖を促すため、定期健診や歯のクリーニングを忘れずに行いましょう。
虫歯がある
虫歯のある人は、それ以上進行しないように丁寧な歯磨きをおこなっているでしょう。
男性と女性ではもちろん、人それぞれに歯の大きさはさまざまです。
ブラッシングでプラークを落とすためには、自分の歯の大きさにマッチしたブラシを選ぶ必要があります。
子どもの小さな歯を、大人の歯ブラシで磨いても汚れが落とせないように、自分でプラークが落としやすいものを選びましょう。
虫歯がある人が100%歯垢を取り除くのは難しいですが、精度の高い磨き方を身に付けることはできます。
歯磨きが雑になっていないのか、隙間や歯の重なった部分は磨けているかなどを注意しながら磨いてみましょう。
糖尿病
糖尿病は遺伝的な疾患であるため、免疫力が低下すると歯周病の発症リスクが高まります。
食生活や生活習慣に注意していても、遺伝的要素があると、そうでない方よりも感染リスクは高くなります。
両親のどちらかが、糖尿病家系である場合には注意が必要です。
糖尿病は生活習慣病といわれているとおり、食生活の乱れから引き起こされます。
遺伝的要素がなくても、生活習慣を見直し予防しましょう。
日頃からの歯磨き習慣に加えて定期健診での予防が可能ですから、
自覚症状がなくても歯科医院でチェックしてください。
ストレスを抱えやすい
ストレスが溜まると免疫力が低下し、さまざまな感染症を引き起こしやすくなります。
風邪やインフルエンザなども、免疫力が低下しやすい季節の変わり目に爆発的に増えている感染症です。
ストレスを感じると自律神経のバランスが乱れてしまい、唾液の分泌が減少する傾向にあります。
緊張すると口の中が乾く、のどがカサついてしまい、声が出にくくなるのもストレスによるものです。
唾液が出にくくなり、口内が乾いてしまうと、細菌が活発になり、歯肉が炎症を起こしやすくなります。
自覚症状がないままに歯肉炎を放置してしまうと、細菌が増殖し歯周病へと進行します。
歯周病とは
歯周病は、プラークを餌にして細菌が増殖し、引き起こされる炎症疾患です。
感染すると歯肉が炎症を起こし、歯をぐらつかせ、膿を持って腫れあがりますが、初期の段階では自覚症状がなく、虫歯の進行で診断されることが多い病気です。
歯と歯肉の溝にプラークや歯石が溜まると、細菌が繁殖し炎症が起こります。
歯肉が腫れてしまうと歯が浮いてしまい、歯周ポケットに細菌が繁殖し歯茎が下がります。
歯周ポケットが4mm以上で歯周病と診断され、放置したままでいると、歯を支える組織が破壊され、歯が抜け落ちたりしてしまうので、注意が必要です。
歯周病の原因
歯周病の原因は、口内環境の乱れによって細菌が繁殖して起きます。
飲食によって歯の表面に張り付いたプラークを、餌にして細菌が増えてしまうことで歯肉が炎症を起こし、歯をダメにします。
糖質が多い食事を好む方はプラークがつきやすく、粘着性があるためブラッシングでは落ちにくくなるのが原因です。
他にも、喫煙やストレスによって歯肉の血行不良や免疫力の低下など、さまざまな要因が重なることで発症するとも考えられています。
歯周病は適切な治療で改善できますし、予防すれば再発防止もできます。
大切なのは、歯を守るために正しい歯磨き、そして定期的な歯の健診です。
歯周病を予防し治療すれば、自分の歯で食事を楽しめるので、
原因となる習慣があれば、注意し、健康な歯を取り戻しましょう。
歯周病の症状
歯周病を予防するためには症状を理解し、セルフチェックで早期発見と治療に進むことが大切です。
初期の段階で発見すれば、治療期間も短く歯周病ケアができるので、セルフチェックで見逃さないようにしましょう。
歯茎が赤くなっている
歯茎が炎症を起こした歯肉炎になると、健康な薄いピンク色から赤みを帯びたように変色します。
炎症によって毛細血管が広がるので、歯肉が赤く腫れあがり触るとぶよぶよした感触です。
最初は、歯肉のふちだけが赤く見えますが、進行して歯周ポケットが深くなると歯茎全体が赤くなり、傷みも出てきます。
さらに進行すると、歯茎の血行が停滞し紫や黒に変色するので注意が必要です。
鏡を見ながらの歯磨き習慣をつけておけば、歯茎の変色に気付きやすくなるでしょう。
歯磨きで血が出る
力を入れて歯を磨いていないのに、歯茎から出血してしまうのは、歯周病の可能性が高くなります。
歯茎に炎症が起こっていると、少しの刺激で出血しやすくなります。
歯ごたえがある食べ物をかじると、歯茎から出血するのも同様に注意が必要です。
歯磨きなどで出血するのは初期症状のため、できるだけ早く歯科医院に相談しましょう。
たまにしか出血しない、ブラッシングに力が入りすぎただけだからと放置すると、歯周病が進行し、歯を失うことにもなりかねません。
歯周病セルフチェック
もしかしたら歯周病かも?と不安になったら以下をチェックしてみましょう。
- 起床後に口の中がネバネバする
- 歯磨きをすると出血する
- 歯肉の色が赤くなっている
- 歯茎が下がってきた
- 歯の間に隙間ができた
- 歯がグラグラする
3個以上チェックした方は、歯周病である可能性が高いでしょう。
歯周病は、歯磨きをしっかりして予防すれば、安心と思われる方も多いです。
しかし、歯周病菌には恐ろしい毒素が含まれており、血液中に入り込むことで全身疾患を引き起こすことがわかっています。
歯周病菌は、血糖値をコントロールする機能を低下させるため、糖尿病を悪化させるリスクが高くなります。
糖尿病の方は歯周病になりやすいだけでなく、悪化しやすいリスクも背負っているのです。
最近では、動脈硬化や心筋炎の原因に歯周病菌が関係していることもわかっています。
それだけでなく、妊婦が歯周病になると早産リスクが高くなり早期低体重児出産にも繋がると考えられています。
チェックリストに1つでも当てはまった方は、歯科医院で定期検診を受けるなどして自分の歯を守ってください。
歯周病になりやすい人は予防歯科をはじめましょう
歯周病になりやすい体質や生活習慣の方は、歯周病にならないためにも積極的に予防を始めてください。
セルフケアだけでなく、歯科医院を利用すれば、より高い予防効果と歯の健康寿命を伸ばせます。
歯周病だけでなく、虫歯を作らない歯になるためにも、予防歯科の重要性とメリットを知っておきましょう。
正しい歯磨き習慣
毎日歯を磨いていても、虫歯になってしまうことはあります。
自分ではきちんと歯磨きをしている・ケアをしているつもりでも、磨き残しがあることでプラークが除去できていない方がほとんどです。
お子さんは両親から歯磨きの指導を受けるケースが多く、その歯磨きが間違っていると、虫歯ができやすくなります。
歯科医院では正しいブラッシング指導を受けられるうえ、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスを使ったケアの方法も教えてくれます。
自分の歯並びにマッチした方法で歯磨きするのが大切ですから、セルフケアのアイテムにフッ素入りの歯磨き粉を使うなど工夫しましょう。
自分でうまく磨けない方は、電動歯ブラシをサポートに使うなどして歯磨き習慣をつけてください。
生活習慣の見直し
糖尿病やストレスとも関係のある歯周病は、環境の改善で予防効果を高められます。
食事以外に、眠気冷ましに砂糖入りのコーヒーを飲み、ちょっとした間食するときもあるでしょう。
スポーツする人はスポーツドリンクを、喉の調子が悪い場合はのど飴など、気づけば食事以外で糖質を摂取する機会が増えています。
糖質を摂取する人ほど、プラークがつきやすく歯周病リスクが高くなります。
おやつを減らす、もしくは間食後も歯磨き習慣をつけることで虫歯になりにくくなれば、歯周病予防にもなります。
食生活はもちろんですが、ストレスをためない・発散できる趣味を持つことも考えましょう。
ストレスで暴飲暴食を始めれば、口内の細菌が増殖しやすい環境になるでしょう。
食事ではなく、運動でストレスを発散する。
趣味を持つことで、無駄な間食に走らないようにもできます。
歯科検診を受ける
虫歯はならないようにするものですが、多くの方は痛みが出てから歯科医院で治療を受けています。
痛みを感じるようになった虫歯は、すでに進行しているため、完治までに時間がかかります。
治療した歯は健康な歯と比較すると弱くなるため、長期的な維持は難しく、メンテナンスが必要です。
歯周病は痛みが出る頃には進行し、歯が抜けてしまい、抜歯が必要になるケースも少なくはありません。
歯の健康は、セルフケアだけでなく歯科医院での定期健診によって未然に防ぐことが重要です。
歯科医院で歯の状態をチェックするだけでなく、プラークや歯石を除去し、歯周病にならないように環境を整えましょう。
まとめ
歯周病になりやすい人は、生活習慣の見直しや正しい歯磨き、定期的な歯科検診を受けましょう。
誰でも歯周病になるリスクはあるので、自分は大丈夫と安心せずに違和感があったら歯科医院で診察を受けてください。
歯周病は早期に発見すれば治る病気で、放置しないこと、予防することが重要です。
歯周病で悩んでいる方は、さくら歯科口腔クリニックに相談してみましょう。
経験豊富な歯科衛生士が、患者の悩みを聞きながら治療計画を立ててくれます。
土曜日も診療していますので、時間がなく治療が進まなかった方も安心です。