気になる口臭はどうしたらいいの?治療法・改善策・予防策を解説
口臭は口腔内でバクテリアが繁殖することによって発生する匂いです。
このバクテリアは揮発性の物質である揮発性硫黄化合物を作り出し、口の中に金属っぽさや酸っぱいといった特有の味や匂いを発生させます。
しかし適切なケアをおこない、舌のバクテリアを減少させるなどの対処を行えば、口臭の予防・軽減が可能です。
また、口臭には感染症などが原因の場合もあるため、専門家に相談を行うことが大切です。
ここでは、口臭が気になる方へ向けて、原因や治療法などについて解説していきます。
口臭とは?
人にはそれぞれに匂いがあるように、口の中の匂いもそれぞれです。
正常な匂いは生理的口臭と呼ばれていますが、それ以外の原因によって引き起こされる口臭もあります。
病気による口臭もありますが、多くの場合には口の中に原因があり、その匂いは他人へ不快感を与えてしまうのです。
そもそも、口臭には、口腔や全身の病気・食餌性の口臭・生理的口臭があります。
主な原因は口腔内の舌苔によるものといわれていますが、通常はブラッシングや唾液の自浄作用、また舌を綺麗に磨くことで予防・軽減が可能です。
【気になる口臭】その原因とは?
気になる口臭ですが、どうして口臭が発生するのでしょうか。
その原因をしっかりと把握することで、予防と対策が可能です。
口臭には大きく分けて病的要因・生理的要因・外因的要因・心因的要因の4種類に分けられます。
ここでは、この4つの要因について具体的に説明していきます。
病的口臭
病的口臭というのは、口腔内・消化器系・全身疾患などの病的要因によって引き起こされる口臭です。
鼻や喉の病気や呼吸器系・消化器系の病気、また糖尿病や肝臓疾患などでも口臭が発生する場合があります。
しかし、病的口臭の90%以上は口腔内に原因があるとされており、歯周病や虫歯・歯垢・歯石・舌苔・唾液の減少・義歯の清掃不良などによって引き起こされているのです。
病的口臭では、これらの原因を治療すれば口臭の減少や解消に繋がります。
生理的口臭
生理的口臭は、誰にでも発生しうるものです。
起床直後や空腹時・緊張時などは唾液の分泌量が減少するため、細菌が増殖し原因物質の揮発性硫黄化合物が発生し口臭の発生に繋がります。
この場合には、歯磨きが効果的で、歯磨きにより、細菌や揮発性硫黄化合物の減少が可能です。
また、食事や水分を積極的に摂取するなどにより唾液量が増加すると、急激に口臭は弱まります。
女性の場合には、生理の時やその前後のホルモンバランスの不調により、口臭を感じる場合もあるでしょう。
生理的口臭は病気ではないため、治療の必要はなく、生活習慣の改善により対処が可能です。
外因的口臭
タバコやアルコール、食べているものが起因して発生する口臭を、外因的口臭といいます。
喫煙者のほとんどは、口臭の問題を抱えているため、禁煙により口臭の軽減が可能です。
禁煙はハードルが高いものですが、医者や歯科医の助言や支援を求めると進めやすいでしょう。
また、アルコールやニンニク・ニラ・ネギ・たくあんなどのような匂いの強いものが体内で消化され、血液を介して循環し肺を経由し、吐き出される際にも口臭を発します。
このような外因的口臭は、歯磨きなど口腔ケアを行っても匂いが消えることはありません。
しかし、禁煙や禁酒、食事に気をつけると抑制が可能です。
心因的口臭
実際には口臭が通常の範囲内であり、あまり強くないのに、自分には口臭があると思い込んでいる人がいます。
これを「自臭症」と呼びますが、ストレスや精神的に不安定な場合に多く見られる症状です。
専門医を受診し口臭がないと診断されてもなお口臭が気になる場合には、精神科への受診が必要となります。
【気になる口臭】その治療法は?
気になる口臭は、原因を突き止めた上で適切な対処をする必要があります。
原因が突き止められない場合には、他の体の部分に感染症などのトラブルがあるかもしれません。
病的口臭により治療が必要な場合には、速やかに専門医を受診し処置を行ってもらいましょう。
ここでは、病的口臭の具体的な治療法について紹介します。
歯科医師による処置を受ける
口臭の原因の87%が、口腔内に問題があるとされています。
これは、口腔内にいる嫌気性菌という細菌によってタンパク質やアミノ酸が分解され揮発性硫黄化合物が生成されることで、口臭の原因物質が作り出されるためです。
適切な歯磨きや舌の掃除を行っても口臭が軽減しない場合には、虫歯や歯周病が原因の可能性があります。
虫歯の場合には痛みなどを伴い発見しやすいのですが、歯周病は痛みがほとんどないため進行しやすく、自覚のないまま口臭が発生してしまいます。
口臭が気になった場合にはまずは歯科医を受診し、虫歯チェックや歯周病チェックを行い、適切な治療を行いましょう。
内科医師や外科医師による処置を受ける
口臭の原因は口内環境が原因だけではありません。
消化器系や耳鼻咽喉系の疾病により、引き起こされるケースもあります。
鼻と喉は繋がっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎・喉頭炎などの炎症によってタンパク質を含んだ血液や膿が口腔内に出てくると口臭の原因となります。
また、肝臓病・腎臓病といった全身疾患のために、口臭が強くなる場合もあるのです。
このため、歯科医を受診しても口臭が解決しない場合には、内科医や外科医などを受診しましょう。
【気になる口臭】その改善策は?
口臭が発生してしまった場合には、どのようにすれば改善へと繋がるのでしょうか。
口腔内の清潔を保つのはもちろんのこと、唾液の分泌の促進や胃腸の調子も口臭改善に大きく関係しています。
ここでは、気になる口臭の改善策について解説していきます。
口の中を清潔に保つ
虫歯や歯周病は口臭の原因となるので、しっかりとしたケアが必要です。
歯周病とは、歯と歯茎の境目に細菌がたまり炎症を起こす病気で、歯周病が進行すると歯茎からの出血に膿が混じり口臭が強くなります。
しかし、虫歯や歯周病といった病的要因以外に舌苔も口臭発生の原因です。
舌苔とは舌につく細菌の塊である苔のことで、しっかりと歯ブラシを行っていても、舌のケアを怠っていると舌苔により口臭が発生します。
舌には凹凸があるため舌苔がつきやすいのですが、きちんとケアをすることで口臭が改善されます。
唾液の分泌を増やす
唾液の分泌も口臭に大きく影響を及ぼしています。
通常、健康な人では1日に1〜1.5リットルの唾液が分泌されているのですが、唾液が不足し、ドライマウスになっていると、虫歯や歯周病の発生や口臭の原因となります。
ドライマウスの原因は加齢や薬の副作用、病気などが挙げられますが、ストレスや喫煙なども要因の1つです。
緊張し、過度なストレスを感じると口臭が気になるのは、このためです。
一時的なストレスであれば、ストレスから解放されると口臭は軽減されますが、慢性的にストレスを抱えていると自律神経が失調してしまい、唾液の分泌が抑制され、ドライマウスとなります。
しかし、唾液には消化を助けるだけでなく粘膜の保護や自浄作用があり、口腔内での細菌の増殖を防ぐ働きがあるため、唾液の分泌を増やすと口臭抑制に繋がります。
唾液は、噛んだり話したりすることで唾液腺から分泌されるので、規則正しい食事や睡眠・運動でストレスを溜めない生活を心がけましょう。
また、食事の時間が空く時はガムを噛んだり、人と会話をしたりすることも効果的です。
胃腸の調子を整える
口臭の主な原因に舌苔の影響がありますが、舌苔は胃腸の病気などでも増加するため胃腸の調子を整える腸内環境の改善が大切です。
暴飲暴食を控え規則正しい食事を心がけること、また、消化の良いものをよく噛んで食べたり刺激物は控えたりと、胃腸に良い生活の心がけが口臭予防に繋がります。
ヨーグルトや乳酸菌・めかぶ などの海藻類は腸内環境を整えてくれるので、積極的に摂取すると良いでしょう。
胃腸の良し悪しは、口臭に大きく関係しているので、腸内環境を整えるようライフスタイルの見直しが大切です。
【気になる口臭】その予防策は?
気になる口臭ですが、いったいどのように予防すれば良いのでしょうか。
まずは、セルフチェックをおこない口臭ケアに意識を持つことが大切です。
また原因を把握し、適切な対策が口臭予防につながります。
ここでは、口臭予防の具体的な対策について説明します。
セルフチェックを徹底する
口臭は自分ではなかなか気がつきにくいものですが、定期的にセルフチェックを行うように心がけましょう。
口臭のセルフチェックにはいくつか方法がありますが、まずは自分の唾液の匂いを嗅いでください。
手を綺麗に洗い舌の上や歯と歯茎の間などを指で触り、指先についた唾液の匂いを嗅いでみましょう。
唾液が臭い場合には、乾燥すると口臭の原因となります。
ビニール袋やコップに息を吹き込み、一度、密閉した空気を嗅いで見るのも効果的です。
匂いを感じるようであれば、口臭の可能性が考えられます。
舌の状態も忘れずにチェックしましょう。
舌に付着している舌苔は誰にでも付着しているものですが、起床時や絶食時には量が多くなるケースがあり、濃くなると口臭が強くなっている可能性があります。
デンタルフロスの匂いを嗅いだり、また、市販の口臭チェッカーを使用してみるのも良いでしょう。
食生活と生活習慣を整える
食生活と生活習慣の見直しは、口臭予防に重要です。
食べたものによって、体から発せられる匂いをコントロールするだけでなく、健康的な食事は腸内環境を整え、ストレスを軽減させます。
生活習慣の見直しにより睡眠不足が解消され自律神経が整うと、病気の予防に繋がるのです。
また、飲酒や喫煙の見直しも、口臭予防には大きく役立ちます。
食生活と生活習慣を改善し、心身ともに健全な状態が維持されると、病的要因である口臭の予防が可能になるのです。
健康であれば、口腔機能の低下も防げるでしょう。
定期的な専門医師への相談を徹底する
セルフケアを徹底し、食生活や生活習慣の見直しが口臭予防に繋がりますが、定期的な専門医への相談も大切です。
特に、虫歯などの病気が原因の場合には治療が必要です。
虫歯や歯周病、鼻や喉・胃腸などの内臓に病気がある場合には、適切な治療により口臭はなくなります。
しかし、治療を行っただけでは再発のリスクがあるため、治療と同時に予防も行わなければいけません。
再発しないためにも、定期的に専門医を受診するようにしましょう。
【気になる口臭】口臭外来を利用しよう!
口臭が気になる場合には、できるだけ早く専門医へ相談しましょう。
かといって、原因がわかるまでは何科を受診すればいいのかわからない方も多いと思います。
原因がはっきりしないけれど口臭が気になる場合には、口臭外来を利用すると良いでしょう。
ここでは口臭外来について、また受診方法や病院の選び方について説明します。
口臭外来とは
歯科医院では、虫歯の治療だけではなく口腔に関する様々な悩みやトラブルに対処する外来が設けられています。
その1つが口臭外来です。
口臭外来では、口が臭う・歯茎から出血がある・口臭が気になるなどの症状に対応しています。
口臭に関するトラブルでは、正確な検査や診断が必要ですが、口腔外来では口臭の測定器を利用するなど口臭レベルや成分分析を行います。
原因を正しく判明することで正確なアプローチが可能となり、正確な治療へと繋がるのです。
口臭外来受診の流れ
口臭は、デリケートな悩みでもあるため、口臭外来を受診するのも少しハードルが高いと思うケースもありますが、治療内容や流れを把握しておくと不安も軽減されます。
一般的に口臭外来では、問診に基づいて検査をおこない診断・治療が行われます。
虫歯や歯周病がある場合には治療し、またクリーニングやセルフケア指導を行い、予防に繋げるのです。
外来を受診する際には、あらかじめ悩みを伝え、電話予約やオンライン予約を行っておくとスムーズに診察を受けられます。
また、オンライン診療を行っているクリニックもあるので、そちらを活用するのも1つの方法です。
口臭外来選びのポイント
口臭に関するトラブルは、様々な要因を複合的に判断する必要があります。
そのため、口臭外来を選ぶ際は、専門的な診療を提供しているクリニックを選びましょう。
設備が充実し幅広い診療を行える体制が整っているか、一般的な歯科治療だけではなく口腔外科や小児歯科、言語聴覚療法科など総合的であり、専門的な治療を行えるかが大切です。
一度治療し改善された口臭も、適切なメンテナンスを行わなければ再発してしまいます。
継続的にメンテナンスや経過観察が可能な、専門外来のあるクリニックを選ぶと良いでしょう。
まとめ
口臭は誰にでもあるものですが、特に気になる場合には、早期に専門医へ相談することが>大切です。
口臭には、病気が潜んでいる可能性があり、それを治療しなければ、根本的な解決にはなりません。
また、口臭は総合的に診断を行い、治療を継続させる必要があるため、クリニックを選ぶ際には口臭治療や予防・対策に強い専門医を選びましょう。
さくら歯科口腔外科クリニックでは、一般的な虫歯だけでなく口臭外来や口腔外科など専門的な治療を行っています。
オンライン診療も行っているので、お気軽にご相談ください。