ホワイトニングは本当に効果がある?歯科医院で受けるメリット・デメリット
近年、昔に比べて歯の白さが重視されるようになり、ホワイトニングを希望する方が増えています。
しかし、ホワイトニングのメカニズムはあまり知られておらず、「実際に効果はある?」「歯に良くないのでは?」と疑問を持っている方も多いでしょう。
この記事では、ホワイトニングの効果と歯科医院で受けるメリット・デメリットを解説しています。
歯の黄ばみが気になっている方、ホワイトニング方法で悩んでいる方は、ぜひ、参考にしてください。
歯科医院で受けるホワイトニングの種類
歯科医院で受けるホワイトニングには、大きく分けてオフィスホワイトニングとホームホワイトニングの2種類があります。
2つにはどのような違いがあるか、施術方法の特徴、ホワイトニング効果と持続期間を解説します。
違いを理解したうえで、どちらのホワイトニングが適しているか判断しましょう。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科衛生士や歯科医師が、過酸化水素などの濃度が高い薬剤を使用して行うホワイトニングです。
歯肉を保護したのち、歯にホワイトニング剤を塗り、光を照射して活性化させます。
ホームホワイトニングと比べて拘束時間が短く即効性があるため、大切なイベントの前や通院や自宅でのケアを面倒に感じる方におすすめです。
効果と持続期間
オフィスホワイトニングに使用する薬剤の種類や濃度は歯科医院によって異なりますが、一般的に高濃度の過酸化水素を使用します。
過酸化水素はホワイトニング効果が高く、1回のオフィスホワイトニングで歯の白さを実感できます。
効果の持続期間は、生活習慣や変色の原因によって異なりますが、3〜6ヵ月程度です。
ホームホワイトニングと比べて即効性がある分、色戻りも早いです。
特にオフィスホワイトニング後に喫煙したり、着色しやすい飲食物を摂取したりすると色戻りしやすくなります。
歯の白さを維持するには、3〜6ヵ月に1度定期的に施術を受ける必要があります。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングとは、マウスピースとホワイトニング薬剤を使用して、自宅で行うホワイトニングです。
歯の型をとって制作したマウスピースに、歯科医院で処方された薬剤を入れ、歯に装着します。
オフィスホワイトニングと異なり自宅で好きなときに治療できるため、仕事や学校が忙しくて通院が難しい方におすすめです。
効果と持続期間
一般的に、ホームホワイトニングには過酸化尿素が使用されています。
過酸化尿素は、オフィスホワイトニングで使用される過酸化水素と比べると即効性がなく、1回のホームホワイトニングでは効果があらわれません。
個人差がありますが、2週間〜1ヵ月程度継続して、初めて効果があらわれます。
効果の持続期間は、生活習慣によって異なりますが、6ヵ月〜1年程度です。
オフィスホワイトニングと比べて即効性がない分、じっくり歯を白くでき、効果が長持ちします。
さらにホワイトニング効果を長期間持続させたい場合は、定期的なホワイトニングが必要です。
ホワイトニングの仕組み
歯科医院のホワイトニングは、どうして歯が白くなるのでしょうか。
そもそも歯が黄ばむのは、着色汚れや歯の象牙質がエナメル質から透けて見えることが原因です。
歯の象牙質は黄色っぽい色をしていてエナメル質に覆われていますが、年齢とともにエナメル質は薄くなり、象牙質は厚くなって黄ばみが目立つようになります。
ホワイトニングが歯の黄ばみを削って白くすると考える方もいますが、それは誤りです。
ホワイトニングで使用される過酸化水素や過酸化尿素には、着色物質を分解し、歯の表面構造を変化させる効果があります。
着色物質が分解されるとともに表面が曇りガラスのように変化し、歯が白く見えるようになる、これがホワイトニングの仕組みです。
ホワイトニングを受けるメリット
ホワイトニングにはホワイトニング歯磨き粉を使用する、歯科医院で施術を受けるなどさまざまな方法があります。
歯科医院のホワイトニングには、どのようなメリットがあるか、サロンやホワイトニング歯磨き粉の使用と比較しながら解説します。
ホワイトニングの方法で迷っている方はぜひ参考にしてください。
高いホワイトニング効果を実感できる
歯科医院とホワイトニングサロンやホワイトニング歯磨き粉では、使用する薬剤の成分が異なり、効果に大きな違いがあります。
歯科医院のホワイトニングで使用される薬剤に含まれる成分は、一般的に過酸化水素や過酸化尿素です。
これらの成分は、歯科衛生士もしくは歯科医師の資格を持つ人しか使用を認められておらず、高い漂白効果があります。
一方でホワイトニング歯磨き粉やホワイトニングサロンで使用される成分は、研磨剤やポリリン酸などです。
研磨剤やポリリン酸には漂白効果はなく、歯の表面の汚れしか落とせません。
使用する成分の違いにより、歯科医院のホワイトニングは、サロンや歯磨き粉よりも高いホワイトニング効果を実感できます。
虫歯や歯周病の確認ができる
ホワイトニングサロンやホワイトニング歯磨き粉の使用では、歯科衛生士もしくは歯科医師による歯や歯肉の確認がおこなわれません。
虫歯や歯周病などの問題がある状態でホワイトニングをおこなうと、薬剤が染みて痛みが出たり、ホワイトニング中に悪化したりするリスクがあります。
歯科医院ではホワイトニング前に虫歯や歯周病の確認をし、問題がある場合は治療をするため、ホワイトニングによるリスクを軽減できます。
手軽さや安さでホワイトニングサロンやホワイトニング歯磨き粉を選んでしまうと、知覚過敏やひどい虫歯になる危険性があり、注意が必要です。
笑顔に自信が持てる
日本国内で、歯の白さに対する意識は年々高まっています。
特にマスクの着用義務が解除され、マスクを使う機会が減ってから、歯のきれいさが気になるようになった方は多いでしょう。
きれいな笑顔でも、歯が汚いと清潔感がなく、よい印象を持たれない可能性が高いです。
歯の黄ばみを気にして、気軽に笑ったり話したりできない方も少なくありません。
ホワイトニングで白い歯を手に入れれば笑顔に自信を持て、コミュニケーションがしやすくなります。
また、清潔感のある笑顔は人に好印象を与え、婚活や就活、商談にもよい影響を与えます。
ホワイトニングを受けるデメリット
ホワイトニングは歯にダメージを与える、知覚過敏になるなどの悪いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
よくいわれる、歯へのダメージと知覚過敏の2つを解説します。
メリットだけでなくデメリットもよく理解したうえで、ホワイトニングを受けるかどうか判断しましょう。
エナメル質にダメージを与える
ホワイトニング直後は、一時的にエナメル質が白く濁ったり、耐酸性が低下したりする可能性があります。
ホワイトニングは、歯を溶かしたり脱灰したり、歯の表面にあるエナメル質にダメージを与えて白くすると誤解する方も少なくありません。
しかし、実際は、エナメル質内の着色物質が過酸化水素から発生するヒドロキシラジカルに分解され、無色もしくは薄い色に変化して歯が白くなります。
通常白濁は短期間で自然消滅し、耐酸性の低下はフッ素を塗ることで軽減できます。
ホワイトニング後、長期間不快感や違和感がある場合は、安易に歯がダメージを受けたのだと判断せず歯科医院で原因を確認しましょう。
知覚過敏になる
歯科医院のホワイトニングでは高濃度の薬剤を使用するため、高いホワイトニング効果を得られる反面、刺激が強く知覚過敏を起こす可能性があります。
一般的に知覚過敏は、ホワイトニング後短期間でなくなります。特に、歯周病や虫歯がある場合は知覚過敏に注意が必要です。
歯周病で歯肉が炎症を起こしていたり、虫歯で歯のエナメル質に穴が開いたり薄くなっていたりすると知覚過敏が起きやすいです。
歯科医院では、ホワイトニングを受ける前にカウンセリングや歯周病・虫歯の確認がありますが、万が一知覚過敏が長く続く場合は歯科医院に相談しましょう。
ホワイトニング効果が出にくい歯の特徴
ホワイトニングはすべての歯に効果が出るわけではありません。
ホワイトニング効果が出にくいおもな歯の特徴と、一般的なホワイトニング以外の対応方法を解説します。
歯科医院のホワイトニングは、最初にカウンセリングがあります。
ホワイトニング効果が出にくい歯がある方は、どのような治療方法がほかにあるか、相談しましょう。
テトラサイクリン歯
テトラサイクリン歯とは、テトラサイクリン系抗生物質によって、黄色や灰色へ変色した歯です。歯の形成期にテトラサイクリン系抗生物質を大量に服用すると、テトラサイクリンが歯のカルシウムと結合し、沈着して歯が変色します。
変色具合によってテトラサイクリン歯は第一度から第四度に分類され、軽度の変色は多少ホワイトニングで白くなりますが、重度の変色は白くなりにくいです。
被せ物をしたり歯を削る必要があるラミネートベニアをしたり、別の方法で歯を白くできる可能性があるため、歯科医院で相談しましょう。
人工歯
人工歯とは、歯周病や虫歯の治療などで天然歯の代わりに使用する被せ物・詰め物・入れ歯です。ホワイトニングで効果が出るのは、天然歯のみです。
レジンや金属を使用した人工歯は、ホワイトニングで白くなりません。
天然歯と人工歯の両方を白くしたい場合や、ホワイトニング後人工歯の色が浮いてしまった場合は、人工歯を作り直す必要があります。
ホワイトニングを希望する方で人工歯がある方、人工歯を入れる治療を控えている方は、歯科医院で治療の流れを確認しましょう。
失活歯
失活歯とは、神経を治療で取り除いたもしくは神経が生活反応をしなくなった歯です。
失活歯は内部で神経や血管が分解され、沈着して内側から歯が黒っぽく変色していきます。
オフィスホワイトニングやホームホワイトニングは、歯の表面からアプローチする方法で、内部の変色へは効果がありません。
ウォーキングブリーチと呼ばれる歯の内部に漂白剤を入れる方法やラミネートベニア、被せ物をする別の方法で歯を白くする必要があります。
ホワイトニングができない人の特徴
メリットの多いホワイトニングですが、すべての人が受けられるわけではありません。
病気などの影響で施術を受けられない人もいるため、注意が必要です。
ここでは、ホワイトニングを受けられない人の特徴を解説します。
ホワイトニングを受けたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
妊娠中・授乳中
妊娠中や授乳中は、ホワイトニングを受けられません。
理由は、ホワイトニングに使用される過酸化水素や過酸化尿素の薬剤が、胎児や乳児に悪影響を与える可能性があるためです。
過酸化水素や過酸化尿素が具体的にどのようなメカニズムで悪影響を与えるかはわかっていません。
しかし、悪影響を与える可能性が0でない以上、過酸化水素や過酸化尿素を使用するホワイトニングは控えましょう。
また、妊娠中は歯周病や虫歯になりやすく、ホワイトニング中に進行するリスクが高い点も妊娠中に受けられない理由の1つです。
光過敏症・無カタラーゼ症
光過敏症(光アレルギー)の方はオフィスホワイトニングを受けられません。
光過敏症とは、日光が当たった皮膚にかゆみや湿疹、炎症が生じる病気です。
オフィスホワイトニングで使われる光は日光ではありませんが、光過敏症の方は炎症が出る危険性があるため控えましょう。
無カタラーゼ症の方も、光過敏症の方同様にオフィスホワイトニングおよびホームホワイトニングを受けられません。
無カタラーゼ症とは、過酸化水素を分解するためのカタラーゼが先天的に不足している病気です。
健康な方はホワイトニングで使用する過酸化水素を少量飲み込んでしまっても、害はありませんが、無カタラーゼ症の方は過酸化水素が有害物質として体内に残る危険性があります。
歯列矯正中にホワイトニングできる?
歯科矯正中のホワイトニングは、矯正の種類と場所によってできる場合とできない場合が
あります。
歯科矯正には、大きく分けてマウスピース矯正とワイヤー矯正の2種類あり、マウスピース矯正は取り外し可能なため矯正中もホワイトニングが可能です。
一方、ワイヤー矯正の場合、矯正期間中は器具の取り外しができません。器具があると薬剤が均一に塗れず、マウスピースを装着できないため、ホワイトニングは矯正が完了するまで待つ必要があります。
ただし、歯の表側ではなく、裏側に器具を装着する舌側矯正はワイヤー矯正中もホワイトニングが可能です。
矯正中のホワイトニングは、歯や歯茎に矯正とホワイトニング薬剤、2つのストレスを与えます。
矯正していない方よりも痛みが出る可能性が高いため、歯科医院でよく相談してから判断しましょう。
まとめ
歯科医院のホワイトニングは、虫歯や歯周病の確認をしたうえで高濃度の薬剤を使用するため、高い効果を感じられます。
ただし、すべての人が受けられ、高い効果を得られるわけではありません。
人工歯や失活歯は効果が出にくく、妊娠中や光過敏症、無カタラーゼ症を患っている方は受けられないため、注意が必要です。
さくら歯科口腔外科クリニックは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの施術に対応しています。
無料カウンセリングがあるため、歯の黄ばみで悩んでいる方は一度相談してみてください。